教育福島0133号(1988年(S63)09月)-055page

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ている。

西会津町では今後も英語指導助手を招致することになっているので、今までの経験を生かし、更に楽しい、充実した英語指導をめざして、四つの中学校と英語指導助手との連携を図りながら、進めていきたい。

 

助け合い学び合う

小野郷の子どもたち

昭和村立昭和小・中学校

 

小野川分校

昭和小学校小野川分校と昭和中学校小野川分校は、会津西部の博士山の南面、海抜約七百七十メートルの高原にあり、児童十六名、生徒十名、教職員九名という極めて少人数の小・中併設校である。小・中ともに本校とは約九キロメートルの距離にあり、学校行事などは分校単位でもつものが多い。しかし、集団生活の中での自己確立を図るために、本校との交流教育も積極的に進めている。小・中併設であるための難点は、学年差に起因する能力差、体力差が非常に大きいことであり、本校と連絡をとりながら小学生の負担過重にならないよう十分に配慮し、教育課程の完全実施に努力している。

子どもの活動の基本単位は、小一から中三までの縦割り班である。清掃や週番活動だけでなく、山菜取りや水泳大会、駅伝大会などもこの班を利用して行われる。活動の中で、上級生は実によく下級生の面倒を見てくれる。小一男子が中三女子にほうきの使い方などを教わっている光景などは、ほほえましく、また頼もしいものである。しかし、これらの活動をすべて中学生がリードするのではなく、全校の朝の会の司会や発表、業間運動での指揮など小学生も立派に役割を果たしている。また、業間運動のマラソンの時、小学生が中学生に負けずに走ったり、中学生が小学生にダンスを教わったりして、お互いによい刺激となっている。

いま、異年齢集団の中で活動する子どもたちと教師との家庭的な雰囲気の中で、深い思いやりと自主・自立の心で自分の役割をきちんと果たす「小野川の子どもたち」が育っている。

 

多目的ホールを活用して多彩な活動

会津若松市立謹教小学校

 

「子どもたちの気が散りませんか」

「隣の声や音がうるさくありませんか」

そんな心配をよそに、八百六十八人の児童と教師は、新築されて間もない多目的ホールを持つ学校での生活を満喫している。

今まで当然のごとく考えられていた「教室」と「廊下」の仕切りが取り払われ、「学習の場」と「通路」が一続きになったのである。しかも、その「通路」にあたる部分が教室程の広さを持ち、それが各教室の側面に長く続いている。これが多目的ホールである。

今年度から、研究テーマが『自ら学ぶ児童の育成−学習の個別化・個性化を通して』と一新されたことと相まって、この多目的ホールのあるつくりを積極的に活用したいと考え進めてきた。

一つは教科学習の中で、学習の個別化を図るときにホールを活用している。

ホールに個人学習を助ける学習材のデータ・バンク的側面と学習の場としての側面を持たせたことによって、学習進度や内容などに応じてグループ化したり、個人で学習したりすることが可能となったのである。

また、仕切りがないことによって、学年内でのチーム・ティーチングが大変実施されやすくなり、「わかる・できる」をめざす学習の個別化がより一層、効果的に行われている。

もう一つは、教科学習外の活動で活用されている。学年朝の会や業間音楽などの学年単位の集会活動。教室を出てホールでのちょっとおしゃれな給食。児童の希望で構成されたクラブ活動二十種類中、演劇・柔道など六種類がホールの広がりを活用している。このクラブ活動は地域の専門的な知識や技能を持つボランティア講師の援助を受けての活動で、児童の目はキラキラと輝き、楽しさと充実感で満ちている。

 

学校菜園の作業も小・中学生がいっしょに

 

学校菜園の作業も小・中学生がいっしょに

学校菜園の作業も小・中学生がいっしょに

 

様々な工夫が可能な多目的ホールでの学習

様々な工夫が可能な多目的ホールでの学習

 

 

 


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