教育福島0133号(1988年(S63)09月)-056page

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図書館コーナー

本と読書の歳時記

県立図書館

 

私たちは日々の生活の中で、自然や気候からだけではなく、様々な行事や習慣から季節を感じています。行事や習慣は、もはや生活の重要な歳時記となっているのです。

しかしその中でも、意外に図書館や本に関する行事については知られていません。そこで、私たちの読書生活を豊かなものとするための歳時記として、次の行事を紹介したいと思います。

 

▼サンジョルディの日

《四月二十二日》

 

スペインの北東部カタルーニャ地方では、毎年四月二十三日を守護神サン・ジョルディを讃える日として祝っています。また、この日は「ドンキホーテ」の作者セルバンテスの命日でもあることから、愛する男性に本を、愛する女性にバラの花に麦の穂を添えて贈る愛の習慣があります。

日本でもこの愛と知性の薫り高い習慣を定着させ、新しい人間愛と文化の高揚をめざすということで、昭和六十一年より、一大キャンペーンが展開されています。これは単に書店の活性化や読書推進をめざしたものではなく、愛と知性による人と人とのふれ合いの運動であるといえます。

 

▼図書館記念日

《四月二十日》

 

昭和四十六年の全国図書館大会において、図書館法が公布された四月三十日(昭和二十五年)を、図書館記念日とすることが制定されました。図書館デーともいいます。また同時に、この日に続く五月の一か月を“図書館振興の月”と決め、全国の全ての図書館が行動する月としました。昭和四十年代は、日本の図書館が大きく前進し始めた頃で、この前進を一層確実なものにしようという意味が込められていました。

今日の、図書館に対する住民の活発な要求とも呼応して、「図書館をもっと身近に、暮しの中に」のこの運動は、ますますその重要性を増しています。

 

▼子どもの読書週間

《五月一日〜十四日》

 

幼い頃から本に親しみ、読書の習慣を身につけることが、子どもの成長に役立つという、子どもの読書の重要性を訴え、一般の関心を高めることを目的に、こどもの日を中心に二週間行われる行事です。

昭和三十四年に第一回が実施されてから、今年で三十回目を数えました。そのシンボルマークは、子どもの象徴としてキューピットをかたどっています。

▼雑誌月間

 

▼雑誌月間

《七月二十一日〜八月二十日》

 

私たちの読書の中で、雑誌が占める割合は決して少なくはありません。それゆえ読者が雑誌に求めるものは多種多様なものがあり、それに応えるべく雑誌の数も増える一方です。

現在日本で発行されている雑誌は、市販されているもので三千七百八十点学術雑誌五千五百七点。官公庁関係四百二点と膨大な数となっています。

このように、私たちの生活の中に、大きな影響と欠かすことのできない意味も持つ雑誌について、改めて考え、誤った選択をしないことを目的に、昭和五十一年から始められた行事です。

シンボルマークには、多くの人に雑誌を読んでもらいたいという意味が込められています。

▼読書週間

 

▼読書週間

《十月二十七日〜十一月九日》

 

読書の普及・推進と出版文化の向上を目標に、文化の日を中心に前後二週間行われる全国的な行事です。

アメリカのChildren,sBook−Weekを参考に、昭和二十二年十一月に一週間行われたのが始まりです。あまりの好評さに翌年からは、現在の日程で行われるようになりました。

シンボルマークは、知識・技芸・武の女神アテナの使者で、古代ギリシャ人が聖鳥とし、知恵の象徴として大切にした「ふくろう」をかたどったものです。

▼絵本週間

 

▼絵本週間

《十二月一日〜十四日》

 

幼児や児童の情操をはぐくみ、生涯における読書活動の原点となるべき絵本が、教育の場にいっそう定着するようにと、昭和五十二年から始められた行事です。

この期間の行事としては特に、全国学校図書館協議会と、読売新聞社主催で行われる「日本の絵本賞」が、絵本新人作家の登竜門として注目されています。

 

 

 


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