教育福島0134号(1988年(S63)10月)-018page
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十二指腸疾患、消化性潰瘍の順になっています。これに対し、死亡状況では、心疾患、脳血管疾患、肝硬変となっています。脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血等)は、高血圧の合併症として現われることもあり、心疾患についても、高血圧により促進されるとも言われているところがら、高血圧性疾患の受診状況が、男女とも高い割合を示している点が注目されます。
四 医療費分析調査の結果に対する医療機関の意見
分析結果について、教職員の健康管理事業等の資料に供するため、昭和六十一年度は、(財)福島県保健衛生協会に、昭和六十二年度は、公立学校共済組合東北中央病院に意見を求めたところ、分析調査の方法、データーの集計等について専門的立場からご指摘やご指導をいただきました。今回は、これらのうちから、今後教職員の健康管理事業を進めて行くうえで、直接関係のある事項についてのみ掲げます。
1 保健衛生協会の意見
特に対策を必要とする疾病として新生物、循環器系の疾患、消化器系の疾患をあげ
(1) 新生物については、成人病検診人間ドック及び結核検診等の受診率のアップを図る。
(2) 循環器系の疾患については、これらの疾患の根底にあるのは、動脈硬化である。そしてタバコがこの動脈硬化促進の危険因子となっているので、禁煙についての指導が必要であり、更に、食事指導も必要である。
(3) 消化器系の疾患については、日常の食生活及びアルコールの過剰摂取に影響されることが多いので、食事調査に基づく指導が効果的である。
以上新生物、循環器系の疾患及び消化器系の疾患を重大疾患としてとらえ、適切な指導と対策を講じれば、かなりの成果が期待できるのではないかとのご指導をいただきました。
2 東北中央病院の意見
教職員の死亡実態と、その死因となっている疾病の受診状況から、現行の人間ドックについての検査項目の検討が必要である。
(1) 日帰りドック
1)加える項目として
腎機能検査とコレステロール等の脂質検査を加える。
2)不必要な項目として
○肺活量は、肺の病気が増加する六十歳から七十歳の者について実施すればよい。
○ 心電図は、自覚症状のある者及び不整脈がある者について実施すればよい。
○ 眼底検査は、四十歳以上の者について実施すればよい。
(2) 短期人間ドック
1)腎機能検査方法を検討する必要がある。
2)潜血反応(便検査)の陽性者は、徹底的に消化管の検査をすることと適切な指導が必要である。
3)直腸及びS字結腸の内視鏡検査が有効である。
4)胆のう検査は、胆石のみでなく
表9 悪性新生物の受診状況と死亡状況
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表10 成人病関連疾病の受診状況と死亡状況
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