教育福島0134号(1988年(S63)10月)-019page

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肝臓・膵臓を含めた検査をすることとし、超音波検査が有効である。

5)糖尿病検査方法を検討する必要がある。

6)五十歳以上の者の喫煙指数(喫煙年数×一日の本数)が、六百以上の者に対しては、喀痰細胞診が必要である。

以上のとおり人間ドックに係る検査方法、検査項目等について、ご指導をいただきました。

また、単に死亡者が多いだけでは、病気を完全に理解できず、正確な結論を出すことはできない。統計学上五年以上のデーターを見なければ、傾向をつかむことはできないとの指摘もありました。

 

おわりに

 

病気は年齢、性別、環境及び健康診断の受診機会の有無並びに疾病に対する意識等と密接な関連があります。

循環器系の疾患は、高齢になるにつれて受診率が高くなり、呼吸器系の疾患は、逆に低くなっています。また、男性については、アルコール、タバコ、ストレス等に起因する高血圧性疾患、消化器系の疾患が多くみられます。女性については、女性特有の妊娠・分娩及び産じょくの合併症のほか、男性と比較して泌尿生殖器系の疾患、インフルエンザ等の呼吸器系の疾患が多いようです。

医療費についてみますと、男女ともに高額疾患は、新生物であります。また、入院、外来を併せた総数の一件当たりの金額では、全国平均より百三円

(○・七パーセント)と僅かに下回っていること等が実態として明らかになりました。

以上、分析第一段階の結果ですが、受診率が高く、かつ医療費も高く生命を危うくする疾病について、早急な対応を検討しておりましたところ、昭和六十二年十一月二十六日、公立学校共済組合保健事業検討委員会(委員長福島県教育委員会教育長佐藤昌志)から、成人病予防健診事業の拡充についての答申が出されました。これによりますと、成人病予防健診事業をより一層拡充するため「器官別検診」の導入が掲げられています。これを受けて医療費分析結果を基本として(財)福島県保健衛生協会並びに公立学校共済組合東北中央病院からの指導事項を踏まえ、表11のとおり人間ドックに、新たに昭和六十三年度から器官別検診を実施したところです。

なお、現在の医学では、殆どの疾病が早期発見、早期治療により治癒しております。教職員の健康は、本人だけのものではなく、家庭の幸せ、児童生徒の精神面の安定という重要な意義を持っていることを認識し、自分の健康は自分で守るという、セルフ・ケア(自己管理)に努めていただきたいと念願するものです。

 

表11 器官別検診検査項目

表11 器官別検診検査項目

 

 

 


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