教育福島0134号(1988年(S63)10月)-034page
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史を体験させることを意図している。
また、毎月二〜三回、日曜日に手仕事、昔話り、機織りなどの実演を行う。
7、調査研究
博物館の機能を充実し、さらに県民の学術及び文化の発展に寄与するため、歴史、考古、民俗、美術工芸、自然に関する専門的調査研究を行う。
また、博物館資料の収集、保存や展示、教育普及などに関する調査や研究も行われる。これらの成果は調査報告書や紀要に発表される。
文化財の保護
一、文化財の指定と保護
わたしたちの遠い祖先が歴史の中でつくりだし、引き継いできた貴重な文化的遺産を保存し活用を図ってゆくことは文化の振興にとってきわめて重要なことである。
そのため、文化財の中から特に歴史的、学術的に価値あるものを重要文化財、重要無形文化財、重要無形又は有形民俗文化財、史跡、名勝、天然記念物として指定し、これを一般に公開するとともに保存に努めているところである。
現在の指定件数は、・国指定百五十件、県指定三百六十九件、市町村指定二千五十五件となっている。
二、文化財保護審議会
県文化財保護審議会(会長 山口弥一郎)は、十四名の委員で構成され、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、教育委員会の諮問に応じて建議を行っている。
同審議会が教育委員会の諮問に対し指定及び解除する旨の答申を行い、本年三月二十二日付で新たに指定した文化財は、重要文化財三件、重要有形民俗文化財一件、重要無形民俗文化財二件、史跡二件合計八件で、天然記念物一件の指定を解除した。
三、文化財基礎調査、(山岳信仰調査)
文化財の保護と指定推進のための資料とするため文化財基礎調査を年次計画により実施している。
昭和六十一年度から山岳信仰調査を実施しており、今年度は今までの調査結果を報告書としてとりまとめることで作業を進めている。
山岳信仰は、山岳信仰者によって修験道という独自の信仰にまで発展したが、明治初年の修験道廃止により衰微し、その習俗と遺品は消滅の危機に曝されている。本調査は、これらを悉皆調査し所在の確認と記録保存を図ろうとするものである。
四、民俗文化財調査(田植踊調査)
田植踊は東北地方にだけ流布している豊作祈願の民俗芸能である。この踊は小正月に演じられるために、近年の生活慣習の変化に伴って演じられる機会も少なくなり、廃絶の危機にあるものが多い。
本調査は、昭和六十二年度より継続して実施しており、各地域の田植踊について文書記録(四十団体)とVTR収録(二十団体)を行おうとするものである。
五、国指定文化財要録の作成
文化財に対する理解と認識を深めるため、「県指定文化財要録」の発刊に引き続き現在、国指定文化財の指定内容を集録、解説した「国指定文化財要録」の作業を進めており、今年度発刊する予定である。
六、文化財保護指導者講習会
文化財の保護について指導的立場にある関係者を対象として、文化財に関する専門的事項について講習会を開催した。
○期日 昭和六十三年七月二十八日〜二十九日
○場所 いわき市労働福祉会館(第一日目) いわき市平市民会館(第二日目)
〇講義及び講師
「縄紋人、弥生人と私たち」
奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター研究指導部長
佐原 真
「いわきの仏教文化について」
いわき市文化財保護審議会委員
佐藤 孝徳
「福島県の山岳信仰」
東北学院大学講師
福島県文化財保護審議会委員
岩崎 敏夫
「出土遺物の保存処理技術」
福島県立博物館副主任学芸員
今津 節生
「福島県の中世城館−その調査と保存」
福島県立磐城女子高等学校教諭
山名 隆弘
「開発と埋蔵文化財」
福島県教育庁文化課遺跡班専門文化財主査 渡部 正俊
○現地研修
白水阿弥陀堂、いわき市石炭化石館
七、福島県民謡まつり
生活の中で育まれ、引き継がれてきた伝承芸能を発掘し、一般に公開することによって文化財に対する認識を深めると共に記録保存を図り、将来にわたり正しく伝承してゆくために「県民俗芸能大会」と「県民謡まつり」を隔年毎に実施している。
今年度は、十一月二十七日(日)白河市
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