教育福島0134号(1988年(S63)10月)-044page
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生涯教育インフォメ−ション
すこやかな成長をねがって
家庭教育の充実
社会教育課
一、家庭教育の役割
家庭教育は、親またはこれに準ずる者が子に対して行う教育であり、子どもの人間形成に及ぼす親の影響の重要さを考えるとき、親が親として果たすべき役割や子どもの心身の発達を理解するために学習することは極めて重要なことです。
家庭は、日々営まれる生活の中で意図的・無意図的に行われていく人づくりの基盤であり、健全に育まれていく子どもの姿こそは大きな喜びでもあります。
しかし、親が家庭において子どもの成長にとって必要なすべての教育を行い得るものではなく、子どもの成長に合わせ、特定分野の教育は学校や社会にゆだねることになります。
急速に変容する社会状況の反映と少子家庭・核家族・共働きなどにみられる家庭環境の変化から、近隣社会の結びつきの希薄化や地域の教育力の低下が大きな社会的課題となり、関係機関等において、このための方策が講じられているところです。また、家庭・学校・社会のそれぞれの教育機能を相互に補完し合う必要があり、行政施策の面でも対応が迫られています。
なお、社会教育審議会の答申でも家庭教育学級等のあり方に対して改善を求めています。従来までは小・中学校年齢層の子どもに関する学習が主であり、乳幼児の教育に対する配慮が不足していたことを指摘しております。
乳幼児の時期は心理的、社会的方向づけを強く受ける最も可塑性に富んだ時期であることを考えれば当然のことであり、今後の家庭教育推進のうえで特に配慮しなければならないことです。
二、家庭教育の施策
県教育委員会としては、これらの状況を踏まえ、家庭教育に関する学習機会の拡充を図るため、市町村における家庭教育学級の開設を促進するとともに、次のような事業を実施しています。
(一)昭和六十三年度家庭教育事業
◆家庭教育学級の開設促進
県内の全市町村で開設されており、六十二年度は前年度より十学級増の五百二十学級が実施されました。
◆家庭教育(幼児期)相談事業
幼児期を対象にした家庭教育は、子どもの基本的な性格を形成するうえで極めて重要な意義をもっています。
親が当面している個々の課題の解決を援助するため、資料等を提供し、家庭教育の充実を図っています。
1)テレビ放送
幼児期における育児やしつけについての助言や情報提供を中心としたテレビ番組「ちいさな世界」の制作をテレビ会社に委託し、十月から三月までの毎週日曜日の午前十時三十分から、十五分番組の放映を行っています。
2)幼児前期の育児手引書の作成配布
今までのはがき通信事業のかわりに幼児前期の家庭教育に関する学習資料の提供として一歳児から三歳児を持つ親を対象に育児手引書を作成し、配布します。
◆家庭教育総合推進事業
家庭をとりまく社会状況の変化により、青少年の問題が増加する中で今日の家庭における諸問題に対処するため、総合的な観点から家庭教育の充実方策を検討し、推進しています。
1)家庭教育指導者研究協議会
家庭教育の充実方策を検討するとともに、指導者の養成と充実を図ります。
◎昭和六十三年九月十三日(火)
会場 郡山市立中央公民館
◎昭和六十三年十一月十六日(水)
会場 いわき市立植田公民館
2)家庭教育電話相談(すくすくダイヤル)
電話による個別的な相談に応じ、助言や情報の提供を行っています。
◎毎週月曜日から金曜日までの午前九時三十分から十二時まで受付けています。(〇二四五−五三−八二二二)
3)家庭教育指導資料及び四・五歳児の家庭教育手引書を作成し、配布します。
◎資料名「現代社会における家庭教育」を作成し、関係機関及び関係者へ配布します。また、四歳児を持つ親に手引書を作成し、配布します。
◆生涯学習「家庭教育講座」の開催
主要テーマに「地域の課題と家庭教育のあり方」を設定し、今日の地域や家庭を取りまく諸問題の中で特に家庭や地域の教育力について、問題解決のため、シンポジウムや研究協議会を開催します。今年度は、県内五会場で実施しています。一本誌四・五月号参照)
※第一回目の伊達町会場では、学校・PTA関係者、教育委員会・公民館職員、家庭教育学級関係者等、百六十名が参加しました。シンポジウムでは講師より次のような提言がありました。
(1)家庭は、子どもにとって最初の学校であり、親は最初の教師である。従って、最良の学校や教師でありたい。
(2)子どもを見る目はいつも減点法だけでなく、加点法により認めてやる
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