教育福島0135号(1988年(S63)11月)-008page

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学習指導の展開

学ぶ意欲を高める指導

義務・高校・養護教育

学習指導の展開

義務教育課

 

教育課程審議会は、教育課程の基準の改善に関する答申の中で四つのねらいを示している。県教育委員会としても、これらを踏まえて重点施策「豊かな人間性と創造性をはぐくむ学校教育の推進」のために、「教育内容・方法の改善充実」をはじめとする六つの努力点を示し、その実現のために諸施策を実施している。

各学校において基礎学力の向上を図るためには、改善のねらいの一つである「国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ること」を受け、児童生徒の「わかりたい」「できるようになりたい」という願望と親の期待や社会のニーズに応えて、一人一人に確かな学力を身に付けさせ、学校本来の使命達成に一層努力する必要がある。

以下、基礎学力充実のための学習指導の在り方について述べる。

 

一、実態に即した指導目標の吟味と指導計画の改善

(一) 教材観、児童生徒観に基づいて、単元全体の指導目標を情意目標を含めて十分吟味、検討する。また、この指導目標に照らして、本時のねらいの焦点化と具体化を図る。

(二) 指導計画の作成に当たっては、次の点に配慮する。

・ 単元全体の指導目標に即して弾力的に作成する。

・ 児童生徒の実態を的確に把握し、それを生かすようにする。

・ 学校の規模、職員組織及び施設、設備の状況を考慮する。

・ 地域の実情、特性を生かすようにする。

(三) 指導計画の内容及び作成方法については、次の点に留意する。

・ 地域性を生かし、季節や行事との関連で単元の配列を工夫する。

・ 児童生徒の実態に応じて指導内容に軽重をつけ、指導の重点化を図る

・ 重点事項には時数を多く配当し、指導の徹底を図る。

・ 視点を明確にして組織的、計画的に進める。

・ 週案簿等の活用により絶えず資料を収集し、改善に努める。

 

二、学習意欲を高め、主体的な学習態度を育てる授業の展開

社会の激しい変化に主体的に対応したくましく生きていける人間を育成するためには、自ら学ぼうとする意欲と主体的な学習態度の育成が不可欠である。このことは、生涯教育における自己教育力を育てることにもつながる。

(一) 学習意欲を高めるためには、次のことに留意して指導に当たることが大切である。

・ 人生の生き方や学習の目的を十分に理解させるとともに、具体的な学習目標を持たせる。

・ 学習への外的動機付けばかりでなく、内的動機付けを工夫する。

・ 「わかった」「できた」という体験を通して成就感や満足感を感得させる。

・ 児童生徒同士で承認や賞賛ができる望ましい雰囲気に満ちた学習集団を育てる。

(二) 主体的な学習ができるようにするには、児童生徒に学習の手順や手だてを発達段階に即してしっかり身に付けさせることが大切である。そのためには、次の点に留意する。

・ 「学習の手引」等を作成し、各教科の特質に応じた具体的な学習方法を身に付けさせる。

・ 辞書の引き方、参考書、地図帳、年表等の活用法、教育機器の使い方を継続的に指導する。

・ 教室や廊下等の言語環境を整えるとともに、学校図書館の利用を奨励する。

(三) 授業の中に児童生徒の主体的な活動の場を設定するためには、次のことに留意する。

・ 指導内容を精選したり、指導の重点化を図ったりすることによって、児童生徒が時間的ゆとりをもって思

 

 

 


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