教育福島0135号(1988年(S63)11月)-012page

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「わたしがひくわ」「わたしもやるわ」に着目して、悲しみを乗り越えて生きようとする千枝子と端枝の姿を話し合いの中からとらえていく。

4)「まとめる」段階

学習の整理、結果の確かめ、学習内容の定着、次時への意欲づけを図り、学んだことの喜びを味わわせる。(資料4参照)

予想した読みとまとめた読みとを比べて、学んだことを自営させた例

二年(スーホの白い馬) 課題

「スーホは、どんな気もちで矢をぬいたのでしょう」

(予想した読みの吹き出し)

「白馬しなないでおくれ。」

(まとめた読みの吹き出し)

「ぼくの白馬、こんなになってまできたのか。ぜったいしなせてなるものか。」

 

資料4 学んだことの喜びを味わえるまとめの学習につながる活動

四、成果と課題

 

四、成果と課題

(一)成果

(1) 予盾や対比するふたつの事象、既有の知識や経験では説明できない事象、部分的に不足のある事象を提示すると好奇心が誘発され、興味をもって学習に立ち向かう。

(2)一人学習の場を設定し、書く、作る。操作するなど、作業的な学習を組織すると学習の自立が図られる。その間、机間指導により個別指導をすると目標達成に向けて本気になつて学習を持続する。

(3) 吹き出し、ワークシート、ノートを活用し、記述によって学習をまとめさせると、「この時間は、こんなことを学んだ」と意識づけることができ、内容の定着が確かになる。教師にとっては、何を、どう書いているかが把握でき、指導の評価ができる。

(4) 展開のモデルで授業を繰り返すと学び方の手順や方法がわかり、主体的に学習を進められるようになる。

(二)課題

(1) 直線的な学習になり易い。多様な思考や個性を生かそうとすると、このモデルでは時間がかかる。個の学習と集団の学習とのかかわりを見直す。

(2) 一単位時間ごとにこの段階を踏むということではなく、一単元の学習過程として展開して、さらに深めていきたい。

 

自ら生き生きと学習する生徒をどう育てるか

いわき市立江名中学校

 

一、研究主題設定の理由科学技術のめざましい進歩とともに、国際化、情報化、高齢化など社会環境の変化の中で、子どもを取り巻く生活環境も大きく変化してきている。

本校の生徒を取り巻く社会の変化もまた同様である。そこで本校は、昭和六十二年度からいわき市教育委員会より研究実践校として指定を受けたことを機会に、生徒の実態を調査し、学校の課題を明確にして、研究実践を推進することにした。

○ 本校の実態

本校は、漁業を主とする地域を学区としている。生徒は明るく素直であるが、反面、やればできる能力を持ちながら、それを一人一人が十分発揮していない傾向にあり、学習の

 

 

 


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