教育福島0135号(1988年(S63)11月)-014page
践に役立てた。
(一) 研究のあゆみ(略)
(二)研究の実際
(1) 学習態度の確立を目指した指導
1)学習行動目標(資料2)をもとに態度向上への意欲づけを行った。
2)学習態度の確立を目指す学習訓練を授業の中で次のように実践した。
ア 常に、学習行動目標を念頭において授業を進める。
イ 学習活動の活生化を図るため、指導の在り方を工夫する。
ウ 学習意欲の育成と学習意志の持続を図るよう配慮する。
3)小集団学習活動の活発化、学級の士気の高揚など、望ましい学習集団の育成を行った。
(2) 自ら学ぶ意欲を育てる指導
「たてやまノート」(資料3)の活用を図りながら、学習への構えと意識の改善も目指し、次のように実践した。
1)生徒の記録から、学習態度を謙虚に反省させた。
2)学習意欲を阻害する要因を究明し、より具体的、個別的な指導を行うよう心掛けた。
3)教育相談の糸口を見つけ、きめ細かな個別指導を行う場とした。
4)このノートを活用して、親子の話し合いをもたせる機会をつくった。
(3) 授業の改善と「わかる授業」
研究主題の具現化を図るため、「わかる授業」を展開した。はじめに、わかる授業の概念規定を行い、わかることの本質を究明し、わかる授業の構造(資料4)を確かめた6次に、「わかる授業」の成立と効率化を図るため、授業の改善に心掛け、平素の授業でも次の点を十分配慮することにした。
1)教材構造や関連を明らかにし、本時の中心課題を確かめる。
2)下位行動目標を設定し(資料5)到達度評価を組み込む。
3)多様な学習形態をとっても、机間指導による適切な援助など、個別的配慮を忘れない。
4)ほめ方と励まし方、生徒の発言の取り上げ方など、学習意欲を高める指導を工夫する。
5)「わかった」「できた」という学習成就の喜びと感動を一人でも多くの生徒に体験させ、自ら学ぶ態度の育成に心掛ける。
6)学習者一人一人の目的意識や学習意欲の高まりを学習集団の士気の高揚へと導くよう努力する。
(4) 授業研究による仮説の検証
1)各教科とも重点目標を踏まえ、具体策をもって授業研究を行った。
2)各種研究会の公開授業でも「わかる授業」を意欲的に展開し、参加者の協力を得て検証実践を行った。
3)英語指導助手を迎えてのチーム・ティーチング(写真)は、事前の準備、雰囲気づくりに配慮し、活発な学習活動の展開と、学習内容の高い定着度をねらって実践された。
五、研究の成果と今後の課題
(一)研究成果
(1) 学習態度の確立
資料2 学習行動目標
☆ 学習行動目標
・忘れ物をしない
・身の回りの整理整頓
・二分前着席
・正しい姿勢で話を聴く
・ノートはきちんと丁寧に
資料3 たてやまノート(抜粋)
資料4 わかる授業の構造
資料5 技術科学習指導案(抜粋:下位行動目標)
7、本時の目標
(1) 指導目標
目に見えない電気のはたらきを知るには、回路計が不可欠であることを知り、回路計の測定器としてのはたらきを理解させる。
(2)到達目標(下位行動目標)
1) 回路計の抵抗の目盛と抵抗レンジの関係を説明できる。
2) 抵抗の値を正しく読め、導通絶縁試験の意味がいえる。