教育福島0135号(1988年(S63)11月)-030page
サートに行ってきた。ショパン国際コンクールで第一位を獲得しただけあって、洗練された音楽的表現とすばらしい演奏技能に、手に汗する感動を覚えた。このような感動の高まりの中では、小学生のころから今日まで音楽を愛し、音楽とともに歩んできた幸せを思う。このピアノコンサートで感じたことをもとに、これまでの音楽とともに歩んできたことについて振り返ってみたい。
演奏開始のベルが鳴ると、会場のざわめきが静まり、なにか心の引き締まる緊張感がある。この一瞬が音楽鑑賞の楽しみでもある。この緊張のあと澄んだ美しいピアノの音が広がる。第一曲は、ドビッシー作曲の「アラベスク」である。この曲の練習は、二十歳代からはじめ今でも時折り練習することがある。世界一流のピアニストのように演奏できるはずはないが、この時だけは世界一流のピアニストになった気持ちになれるから不思議である。
ダン・タイ・ソンのピアノ演奏はドビッシーからスクリャービンの曲へと変わり、最後にショパンの曲で締めた。アンコールの曲は、ドビッシーの「月の光」である。この曲はとても好きな曲で、現在練習している曲でもある。この曲の演奏を聞いていると、感動のあまり涙が出そうになる。音楽をやってきたことが本当に良かったと思えるひとときである。
コンサートに出かけると、もうひとつの楽しみがある。それは、音楽を愛する人たちに出会うことができることである。このコンサートでも、私の大学時代の音楽教授であった恩師から、「元気そうですね」と声をかけていただいた。恩師の明るい笑顔に出会い、とてもうれしく思った。何年間ものごぶさたをわび、近いうちお伺いしたいと思った。音楽を専攻している大学生にも会った。彼は小学時代、私の指導している吹奏楽部で金管楽器を演奏していた。音楽の話をいろいろとした。高等学校で音楽を教えたいと言っていた。とても立派に成長している姿を見てうれしく思った。
私の音楽の歴史は教員生活の中で大きな役割りを果たしてきたように思える。若い教師のころ、ある校長先生から、「子どもをある姿に育てていきたいと思ったら、まず、教師自身そうなりなさい」と言われたことを思い出す。音楽とともに歩むためにも時間を見出し、ピアノに向かっていきたい。そして、世界の人々が何百年もかけて蓄えた音楽のすばらしさを多少でもみつけていきたい。
(国見町立藤田小学校教頭)
県学生寮入寮者募集
(財)福島県学生寮では、昭和六十四年度の入寮者を左記により募集します。
一、募集人員
・男子寮 四十名程度
・女子寮 二十名程度
二、応募資格
・福島県出身者であること
・学校教育法による大学に昭和六十四年入学予定であること
・父母又はこれに準ずる者が入寮諸経費の負担能力を有すること
・確実な身元保証人を有すること
・人物及び健康状態が良好で共同生活を営むに適する者であること
三、必要経費
・男子寮
入寮寄附金 二〇、〇〇〇円
寮使用料 月額:一、〇〇〇円
光熱水費 月額 二、五〇〇円程度
食費等 月額一六、〇〇〇円程度
・女子寮
入寮寄附金 二〇、〇〇〇円
寮使用料 月額一四、〇〇〇円
光熱水費 月額 一、〇〇〇円程度
食費等 月額一六、八〇〇円程度
四、申込み手続き
次の申込み用紙を所属(出身)高校、県教育事務所又は県教育庁高等 学校教育課で交付をうけて、必要事項を記入のうえ、所属一出身)高校に提出してください。
(一)入寮申込書・(二)入寮申込調書
なお、高等学校過年度卒業者は、国公立病院、診療所又は保健所発行の健康診断書も併せて提出してください。
五、申込先
(〒九六〇)福島市杉妻町二番十六号 福島県教育庁高等学校教育課内側福島県学生寮事務局あて
TEL 〇二四五−二四−三八九三
六、入寮申込期間等
・申込受付期間…六十三年十二月十五日−六十四年二月十五日
・書類選考…六十四年二月下旬
・面接選考…六十四年三月上旬
・入寮許可通知
仮決定…六十四年二月下旬
本決定…六十四年三月上旬
・入寮手続期間…六十四年四月一日〜同年四月十日
※ なお詳しくは、申込先まで
<所在地>
○男子寮 〒二七一 千葉県松戸市松戸六三八の四
○女子寮 〒一五一 東京都渋谷区幡ケ谷三丁目七二番地九号