教育福島0135号(1988年(S63)11月)-046page
レポート 学校から
楽しく学び自己を拓く
−県立学校(高校・養護学校)−
国際理解への第一歩
積極的な生き方(英語指導助手に感銘)
県立福島女子高等学校
昨年八月の来日以来、ディル先生は本校をベースに近隣の中学校・高校での授業、教育センターでの教員研修等で席の温まる間もない活躍ぶりであるが、職員ならびに生徒に一番感銘を与えているのは、その積極的な生き方である。英語の授業でのアシスタントという本務においてはもちろん、授業以外でも国際理解の推進というテーマを文字どおり実践してきている。
来日最初の授業で、「福島県の地図をそのまま下げてゆくと、オーストラリアにぴったり重なります」と言って物事の『相似点・相違点』に中心を置いた授業が始まったが、国際理解の中心は相違の理解だという信念は随所に表われている。
昨年、・あるクラスでロングホームルーム時にハロウィーン・パーティを実施したが、パンプキン・ケーキを作るため、はるばるオーストラリアまで電話をして材料を取り寄せ、『本物のオーストラリア・ケーキ』を生徒と一緒に焼き上げたのは大きな驚きであった。
学習が遅れがちな生徒の激励、英語弁論・英語面接者指導、ティーム・ティーチングなど学校での仕事が終わると、部活動の生徒と一緒に汗を流し日本語学習、合気道練習、地域サークルで講師、自宅に生徒を招いての交流に努めている。
一方、残り一年の滞日の間に数多くのことを学び取ろうと、研究者としての目も忘れてはいないようである。
これぞ本物のパンプキン・ケーキ(中央がディル先生)
伝統行事収穫祭
自然の恵みに感謝
農業の喜びを知る
県立耶麻農業高等学校
近年の科学技術の進歩は著しく、農業においても、多種多様な栽培技術が開発されている。生徒たちは、新しい技術に目を奪われ、農業と自然とのかかわりを忘れてしまうことがある。
本校の収穫祭は、自然の豊かな恵みに感謝し、生徒たちが汗を流して栽培した作物の収穫を喜び合うものである
収穫祭の会場となる体育館には、自然の恵みに感謝の意を表すため、生徒たちが実習の時間に学校の農場で栽培・収穫した新米、大根、サツマイモなどが山のように供えられる。暗幕が張られたり、ローソクに火がともされるなどして収穫祭が始まる。
厳粛な雰囲気の中で、生徒の代表による「誓いのことば」が述べられる。
『今「眼の前の祭壇に横たわるさまざまな自然の御恵みは、もともとは
収穫に感謝し、作物を前に「誓いのことば」を述べる