教育福島0136号(1989年(H01)01月)-014page
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特選入賞論文
子ども一人ひとりが主体的に追究する社会科授業のあり方
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小高町立福浦小学校 教諭
木村政文
一、主題設定の理由
今日の社会は、マス・メディアの発達に伴い多くの情報が氾濫しているが、子どもたちは、このような情報の一方通行的な伝達の中で思考することなく、情報の中に埋没しているのではないだろうか。
そこで、一人一人が情報におぼれず、自らの意志を持ち、情報の真偽を事実に基づいて吟味しながら、正しく判断のできる子に育てあげることがとりわけ社会科に課せられている。
そこで社会科の授業においては子どもたちの「調べたい。」「学習したい。」という意欲のもとに、主体的に追究する能力を身につけさせる必要がある。
一人一人の子どもが、自分で問題を感じとり、興味と疑問を持ち、既有の知識との相違を明確にして、見通しを立て、追究意欲を燃やして問題に立ち向かい、検証し、まとめ、さらに結果に対して自ら問い続けるような学習、すなわち主体的に追究する能力の育成を目指しし本主題を設定した。
二、研究の仮説
(一) 仮説
子どもが自ら意欲を持って取り組む学習課題を設定し、課題解決の学習の仕方を身につけることができれば、主体的に追究する子どもを育成することができるであろう。
(二) 仮説のための理論
(1) 意欲を持って取り組む学習課題の設定
自ら学ぼうとする意欲を高めることが、子どもたちが主体的に追究する学習が成立する要因となる。そこで、学習課題の設定にあたっては、教師の提示によるものでなく、子どもたちが事実に当面した時に生まれる多様な疑問を問題意識としてふくらませ、方向づけをし、自ら追究したいと強く願う学習課題として明確にすることである。
(2) 課題解決の学習の仕方
一人一人の子どもが、学習の中で喜んだり、くやしがったり、ねばり強く仲よく励むようにしていかなければならない。つまり、子どもたちが追究の中心となって展開する学習では、子どもたちの思考過程と学習過程とが対応することが必要である。いわゆる形式的な学習訓練だけでなく、子どもたちが自らつくる追究の道すじを明らかにしていく。
(3) 主体的に追究する子ども
社会的事象に当面した子どもたちは、「おや、変だ。」「なぜだろう。」という課題意識を持ち、次に、「これはどうなっているのだろう。」「もっと知りた。」という社会的事象に対する追究意欲を持つ。さらに、「これをどのように調べたらよいのだろうか。」という追求の方法を探し、自分なりの結論を導き出すことである。
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主体的に追究する子どもたち
三、研究の計画(省略)
四、研究の概要(内容の一部省略)
(一) 学習課題の練り上げ
学習課題づくり(子どもたちに学習への動機づけを行い、課題意識を持たせること)は、教師中心の授業から子どもが自ら学習課題に問いかけ、疑問を持ち、主体的に追究する学習への転換につながる。
(1) 学習課題の条件
1) 学級全体の共通課題となるものでなければならない。
2) 指導目標が達成でき、社会認識をより深めるものでなければならない。
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