教育福島0136号(1989年(H01)01月)-018page
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特選入賞論文
1年生におけるやる気を育てるために、わかる、できる授業の中で基礎・基本を身につけさせる指導をして
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下郷町立旭田小学校教諭
玉川美紀子
一、研究の主旨
国際社会に生きる日本人として、基礎・基本をしっかり身に付けるための指導の改善が求められている。
基礎・基本というのは、知識や理解面ばかりでなく、技能、思考、判断など全ての側面から最低それだけは習得させなければならないもの、すなわち、各教科、道徳、特別活動の中で根底となるものであり、教材の一層の精選と重点を図って指導に当たる必要がある。
本校は、南会津の農山村にあって、分校を持つ小規模校である。児童は、学習の推進力となる心情や態度面に欠け、学習意欲の高揚が特に求められている、
そこで、本主題を設定し、多方面から児童に働きかけることで、基礎・基本を身に付けさせ、やる気を育てたいと考えた。
二、研究主題の分析
(一) 「わかる・できる」授業の条件
これまでの指導の反省から 1)効果的な教育課程の編成 2)教育内容の熟知 3)教材の開発・構成の工夫 4)指導方法の工夫 5)学級づくり 6)学業不振児に対する心配り 7)個人差への対応、という七点に留意すれば「わかる・できる授業」が成立するだろうと考えた。
(二) 各教科における基礎・基本
学習指導要領に示された内容を基礎基本としてとらえたが、各教科の中で最も重要だと思われる内容を中核に据え、さらに、児童がよくわかり自信を持って取り組めるよう、内容を具体的に設定した。(図1の太わくの中)それらを単元を展開する中で身に付けさせれば、基礎・基本が身に付くであろう。
(三) 「やる気」と基礎・基本
児童の意欲の奥底にあるものを好奇心としてとらえ、その好奇心に直接・間接に働きかけて「やる気」を引き起こそうと考えた。働きかける内容は、基礎・基本の中から選び出した具体的な項目とした。
(一)(二)(三)を結び付けて図式化すると、図1のようになる。
図1 主題の図式化
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三、研究仮説
単元の目標と照らし合わせて基礎・基本を洗い出し、児童の興味ある教材・資料を用いてわかる・できる授業を展開していけば、一人一人に基礎・基本が身に付き自分の能力に自信が生まれ、やる気が育つであろう。
そのために、次のことを工夫する。
○ 資料作りとその提示の仕方
○ 場の構成や練習方法
○ 遅れがちな子に焦点を当てた展開
○ 人間関係と学習環境の条件整備
四、実践の概要
基礎・基本の中核に据えた内容が、研究主題となるよう、教科ごとに主題を設定して指導に当たった。わずかな例しか示すことができないが、以下、各教科ごとの実践について述べる。
(一) 国語
自作の視覚的資料を活用して、理解力を身に付けさせる指導
特に、視覚に訴えるものを活用して興味・関心を高め、読み取りを進めていけば、イメージ豊かに理解でき、やる気も育つだろうと考えた。
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