教育福島0136号(1989年(H01)01月)-022page
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特選入賞論文
幼稚園教育における豊かな遊びの展開
人との関わりをもつ力を育て自立の態度を養う保育の実践
三春町立岩江幼稚園
代表 教諭 川音栄子
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特選入賞された岩江幼稚園の先生がた
一、主題設定の理由
今、幼稚園教育の基本的なあり方が問い直され、幼児の主体的な遊びを通しての総合的な指導の重要性が確認されるとともに、社会情勢の変化に伴って、人との係わり合い、自然や身近な環境とのふれ合い等について、特に配慮していかなければならないことが強調されている。
本園は伝統と文化に恵まれた町にあり、豊かな自然環境に囲まれている。しかし、新興住宅地にあるため核家族化、少子化の傾向がみられ、異年齢の子どもたちと生活する場が少なくなってきている。また、家庭内でも狭い範囲の人間関係の中で生活していることが多い。
したがって本園の課題は、身近な環境を生かし幼児一人一人が自主的・自発的に遊びに取り組み、友だちとの係わり合いの中で自立の態度を養っていくことにある。
二、研究主題の分析
(一) 豊かな遊びの展開について
幼稚園教育は、先ず第一に遊びの重要性を深く考え、豊かな遊びを工夫し楽しく価値ある充実した遊びを子供たちに十分経験させるようにすることが大切である。
○ 身近な自然との係わりを重視し、地域環境を生かした活動を十分に行い、生き物への思いやり、自然への関心を高めることが、豊かな遊びの展開に結びつき幼児が豊かな遊びを創造していくようになる。
○ できるだけ多様な経験をさせ、友だち関係を広げるように指導するとともに、多面的な活動をたくさん経験させて、幼児の知的関心や興味の幅を広げ、個性や創造性の芽を育てるようにする。
〇 一人一人のペースを大切にした保育を重視し、幼児が自分で活動を選択し、自分なりに挑み、活動を発展させていくことを大切にして、活動の内容や形態、保育の場所などについても多様化を図っていく。
(二) 人との係わりをもつことについて
人との係わりをもつ力は、人々との様々なふれ合いを通して培われるものであるから、幼稚園においても、同年齢の集団の中での活動や経験ばかりでなく、異年齢集団との係わり合いや、小学校の児童、高齢者などとの交流を促進し、人間関係について様々な経験をさせていくことが大切である。
(三) 自立の態度の育成について
自立は、「自分で考え、自分で行動し、自分で責任をとる」ことである。
自立した人間を育てるには、幼児自身が興味関心をもって自発的に取り組み、何度失敗しても挑戦しようと努力し、「自分で責任をもとうとする」精神の自立を養っていかなければならない。
自立の態度を養う指導は「教える」ことではなく、そのことに取り組むことの楽しさを知らせ、直接的、具体的な体験を積み重ねていくことである。
日常の保育が教師にやらせられていたのでは、自立の態度は育たない。
三、研究仮説
身近な自然や地域環境を十分活用して豊かな体験をさせると共に、多面的な活動をたくさん経験させ、幼児たちが価値のある充実した遊びに自主的・自発的に取り組むようにする。
そして、生活全体の中で友だちとのふれ合いや、様々な人とのふれ合いを大切にしていけば、豊かな感情体験が得られ、人との係わり合いの中で自ら遊びを発展させ、自分たちの手で豊かな遊びを創造できる子供に育てることができるであろう。
また、幼児一人一人が自ら挑戦し、失敗してもくじけず、自分でやることが楽しいことを知らせる援助活動を大切にしていけば、一人一人に自立の態度を養うことができるであろう。
(そのための具体策は省略)
四、研究計画と研究組織
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