教育福島0136号(1989年(H01)01月)-046page

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教育センターから

 

−現職研修の活性化と質的充実をめざして−

自己啓発に支えられた校内研修のあり方

学校経営プロジェクト研究紹介

 

一、はじめに

 

現職研修(校内研修)については県内各校とも意図的・計画的に実践されているところですが、臨教審答申や各校現場の反省において「校内研修の活性化と質的充実の必要性」が指摘されています。

それは先生方各自が「課題意識や使命感を持ち、自己を啓発しながらやりがいを自らつくり、所期の目的である自校の教育課題解決と自己の教育実践の質的向上に結びつく校内研修として確立している現状かどうか……」こうした反省からです。

そこで本研究では「校内研修において、各先生方の自己啓発を促すための意識態勢・組織体制・企画運営はどうあったらよいか」に視点をあてて、その「あり方・すすめ方の具体的なモデル(試案)を作成」して提示し、各校の校内研修推進の一助になればと考え、研究に取り組みました。

 

二、校内研修推進において自己啓発を促すための必要条件は何か

 

まず各先生方が校内研修推進上・自己啓発されるのはどんな場合なのか、研究にあたって、その必要条件を次のようにおさえてみました。

○個人の課題意識と改善意欲、○集団の成員自覚と協働意欲、○成員間の信頼関係と協働体制、○希望や適性が生かされる組織体制、○到達が明確な研修推進計画、○推進上の共通理解と成果の共有化、○実質的な研修時間の確保と内容の累積活用、○リーダーによる刺激と適切な援助指導、○新しい知識や情報の導入提示と活用、○全員で計画・実施・評価がなされ、向上がわかる研修…‥等

従って、校内研修の活性化と質的充実を図るためには、これらの必要条件をどう具体化して実践していくかが大きな課題であると考えられます。そこで本研究では、そのことを追究していくことにしました。

 

三、現状の校内研修推進において、どこをどのように改善・充実する必要があるか

 

(一) 調査研究

昨年度、前記必要条件に合わせた実態調査を行いました。(県下小・中・高一九三校、五七二名の先生方対象)

そして、学校規模別・教職年代別・男女別に集計し、結果の考察を通して自己啓発にかかわる問題点、その要因と改善の方向をまとめてみました。

(教育センター紀要七十一号参照)

(二) 校内研修推進過程(P−D−S)における問題点の限定と実践課題の明確化

前年度の調査研究結果からみますと自己啓発を図る校内研修推進上、現在最も改善充実を図らねばならぬ問題点は次のように考えられました。そこで、研究実践課題を次のように設定し、試案づくりにとりかかりました。

〔計画の段階〕

ア 個人のニーズを生かして研修課題を集約する手続きが不十分である−「児童生徒や教師のニーズを生かした研修課題はどのような手順・内容で集約すればよいか」

イ 研修課題を生かし共通理解を図る研究主題の設定の仕方が不十分である−「研修課題を生かして共通理解を図りながら研究主題を設定するにはどうすればよいか」

ウ 学校の実態や個人の希望、特性をふまえて研修組織をつくることが難しい−「研修意欲を促す研修組織は、どのような手順・内容でつくればよいか」

エ 到達目標達成までの推進計画が不明確である一「到達目標達成までの過程が明確な年間推進計画は、どのような内容・手順でつくればよいか」

〔実施の段階〕

ア 校内研修の時間はほぼ位置づけられているが、実質的な確保に乏しく、その活用にも工夫がたりない−「研修時間を実質的に確保するとともに、研修会を効率的に運営して成果を上げるには、どのような方法を工夫すればよいか」

イ 授業の質的改善と授業研究内容の共有化を図る授業研究のすすめ方が

 

 

 


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