教育福島0138号(1989年(H01)04月)-012page

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方を研究することができた。

また、市町村教育委員会においては、二か年間で三十四市町村教育委員会(実数)が試行を行い、教育委員会の規模等に応じた研修の進め方について研究を深めることができた。

(2) 指導教員の配置

指導教員を初任者一人に対し、一人配置(いわゆるマンツーマン指導)することにより、初任者の成長の度合いに応じたきめ細かな指導を行うことができ、実践的指導力の向上が顕著であった。

教務主任、学年主任、研修主任が指導教員となる事例が多かった。この場合、校内における研修を行う際の企画、立案、進行にあたり、学校全体の動きを見通しながら計画的、効果的に進めることができ、円滑に実施された。

今後は、専門教科・科目における経験豊富な指導教員の確保について十分配慮する必要があった。

(3) 校内協力体制

初任者研修を円滑に推進するため、指導教員を中心とした校内協力体制を確立し、指導教員と連携しつつ、全教職員が一致して指導にあたるよう工夫した。その結果六十二年度に比して六十三年度は校内組織の整備が進み、研修が組織的に行われるとともに、研修を月行事や週行事に位置づける等の工夫もあって多様な方法で展開され、効果的に実施された。

(4) 指導教員等の指導

校内における研修では、指導の半分以上を指導教員が、他は各係等の教員が指導するなど、校内協力制のもと円滑に実施された。

また、各校種とも研修時間を時間割表に位置づけたり、研修日を設定するなど研修時間の確保に努め、円滑な研修が進められた。

さらに、指導形態も六十二年度の九形態から、六十三年度の六形態に集約、精選した結果、研修事項が整理・統合された。

(5) 教育センター等研修

教育センター等研修は、各校種別に多様な方法により実施された。その内容は、研究発表集会等研修、他校・園参観、ボランティア活動、地場産業視察等であり、体験的実践的内容として知見を広め、視野を拡大するうえで効果的であった。また、対象教員も積極的に取り組み、有意義であったとする感想が多かった。

なお、企業や各種施設での研修にあたっては、各施設等との協力関係を築き、研修の場の確保に努める必要があった。

(6) 宿泊研修

宿泊研修においては、本県教育の現状と課題、学習指導、野外活動の指導と実際について宿泊を通して研修をした。多様な研修内容でもって実施し、また、宿泊研修を通して他の地区の新任教員との交流、意見の交換が行われ、教職員としての意欲を高めあうことができ、意義深いものであった。

(7) 洋上研修

洋上研修については、文部省の計画にもとづき、本県より昭和六十二年度は二十五名、六十三年度は二十四名参加した。その結果、全国の同年代の教員との交流、現在の教育課題に対する活発な意見交換、中央講師による請演・講話等があり、貴重な体験をすることができ、知見を広め、教養を高める上で有意義な研修であったとする参加者が多かった。

(8) 教員の加配措置

初任者研修に伴う教員の加配について、初任者一人配置校へは非常勤講師を、初任者複数配置校へは補充教員一人を配置した。その結果、初任者の研修及び指導教員の指導の時間を時間割表に位置づけることができ、授業への影響を最少限に抑えることができた。

 

三、平成元年度の初任者研修

 

平成元年度においては、昭和六十二年度、昭和六十三年度の試行の結果を踏まえ、より効果的かつ円滑な研修の実施に努めたいと考えています。

 

1 初任者研修の対象者(資料2参照)

(1) 初任者研修の本格実施

小学校の新規採用教員全員とするが、以前に他県等で一年以上の教職経験を有する者や臨時又は期限付きで採用になった者は除いて実施しています。

(2) 初任者研修の試行

中学校、高等学校、盲・聾・養護学校の新任教員の一部を対象として研修を実施し、校種別に「その内容、方法の効果的な在り方等について、更に調査研究を進めます。

 

2 初任者研修の実施方法

初任者研修制度の方法について、臨時教育審議会第二次答申は、「新任教員は1)授業等教育活動の実務に従事すること、2)校内において、主として指

 

初任者研修試行の授業参観のひとコマ

初任者研修試行の授業参観のひとコマ

 

 

 


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