教育福島0138号(1989年(H01)04月)-020page

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特別活動との関連を持に強め、児童自身の直接・間接交流が主体的に行われる時間とした。

 

六、研究の成果と今後の課題

 

1 成果

授業を通して、自分たちの生活が外国と大きなかかわりを持っていることが認識され、他の活動にも積極的に取り組む姿が見られるようになった。

また学校行事等では、父母も参加するものにしていくことにより、地域に対する国際理解の啓発となった。

更に外国及び異文化に対する理解が深まり国際交流の必要性を一層認識できるようになってきた。

2 課題

(1) 教科、道徳指導の計画について

ア 国際理解教育のために選定したり作成したりする資料の系統性、発展性(児童の発達)にやや欠けるので継続研究する。

イ 各教科それぞれのねらいを踏まえた上で国際交流研究のねらいが達成できるような題材の取りあげ方、授業の在り方を研究していく

(2) 交流活動について自分が伝えたいことをはっきり伝えられるように基礎的な学習をさせる。

 

高等学校における実践

 

福島県教育委員会は、昭和六十年度からの「第三次福島県長期総合教育計画」策定の視点のひとつとして「国際性豊かな県民の育成」をあげ、重点施策に「国際理解教育の充実」を掲げるなど、時代の進展、社会の変化に的確に対応して「国際化」を指向した種々の施策を策定し着実に実行に移してきたところである。これらの諸施策の中で同年度からスタートしたもののひとつが、国際交流に関する研究学校の指定である。これは、学校教育の中での国際理解教育の可能性を探る試みであり、国際化社会に対応できる人材の育成を図るために、諸実践・研究を通して、地域や学校、生徒の実態に即した教育課程の編成と、その定着に努めるものである。この指定研究においては、「国際化」に直接的関連をもつと考えられる教科だけではなく、すべての教科活動の中で「国際理解」の視点をもち得る分野を探り教材化を図り、さらに教科外の活動も含めたあらゆる教育活動の中で実践しその成果を得るよう努めることが求められる。また生徒の実態、興味・関心等を十分に把握し、教科・科目の特質等を踏まえたうえで、教育課程の中に適切に組み入れるよう配慮することが必要とされる。

昭和六十・六十一年度には、県立須賀川女子高等学校が、国際性を身につけた心豊かな人間の育成をめざして「国際理解教育の研究ならびに文化交流の推進」を主題に研究を進め成果をあげた。以下に掲げる県立棚倉高等学校の記録は、昭和六十二・六十三年度の二か年にわたり「地域社会と連携した国際理解教育」を主題に実践された成果である。

 

国際交流

 

−地域社会と連携した国際理解教育の研究−

県立棚倉高等学校

 

一、本校の現況

 

本校は東白川郡にあり、創立六十五年目を迎えた一学年四学級の普通高校である。かつては一学年八学級もありその当時は大学進学者も多かったが、その後の地域社会の過疎化現象と相まって、入学者が減少するとともに、入学してくる生徒の学力も低下してきた。一時、募集定員の確保にも困難を来した時期があったが、近年生徒の応募状況もよくなり、定員を確保できるようになった。この現状を積極的に評価し、生徒の進路目標達成を学校の教育目標として積極的に教育活動を推進している。

このような時期に、本校が福島県教育委員会より、六十二・六十三年度にわたり、「国際交流」の研究校の指定を受けたことは、教育活動の活性化に一層の弾みがつくであろうことを確信し、積極的に取り組み実践してきた。

 

二、研究主題設定の理由

 

わが国は、国際化の時代の流れの中にあって国際的な視野と国際的な知識を体得させ、地球規模的な発想のできる人間の育成を積極的に推進していかなければならない。

幸い本校の位置している棚倉町は町の活生化対策の一環として町レベルでの国際化の対策を施行し、国際交流員の招へいやギリシャのスパルタ市との友好都市関係を提携するとともに、町民同士の国際交流も盛んになっている。

また東白川ロータリークラブ、あるいは棚倉町ライオンズクラブ等においても国際交流活動が盛んになってきている。本校では、学校を取り巻く地域社会の国際化活動とタイアップしながら研究を推進していく方針のもとに標記の主題を設定した。

 

三、研究計画

 

 

 


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