教育福島0138号(1989年(H01)04月)-022page

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英語や社会科等

英語科や社会科の内容は、どの授業の内容も国際理解に関連するだけに国際理解を内容とした試行授業の実施には、戸惑いと躊躇がみられた。しかし各教科で、何度かの教科会を開き、次に示すような結論を得、試行授業を実施してきた。

ア、社会科

○ 世界の歴史や現状を理解させるとともに、わが国との比較を重視した授業となるように工夫する。

○ 生徒を自主的、主体的に動かす授業の創造に努力する。

イ、英語科

生徒へのアンケートの結果、現在の英語学習への興味よりは、英会話学習に対する興味と関心の方が強いことを示している。この生徒の意識を踏まえ英会話を重視し、これを通して英語学習に興味を持たせるように努力する。

○ 授業の中で、オーラルな活動を

多くする。

○ AETを活用した授業を多くし、会話に興味を持たせる。

○ LL教室利用の授業を多くする。

2) 国際理解教育と関連の薄い理科、数学、保体、家庭、商業等教科担任会を開き、国際理解として取り扱うことのできる内容を検討し、教材化に工夫した。特に生物では「鳥類の渡り」や化学での「酸性雨と環境破壊」等や数学科における「三角比」や「コンピュータ」の指導でその歴史的背景を国際的に理解させる等、ユニークな教材の工夫がみられた。

3) 1)と2)の中間的な芸術科や国語科

それぞれの科目において、国際理解に関する内容が多く、試行授業を比較的多く実施した。その際、世界の文学や芸術をとおして、その国の国民性についての認識を高めさせる。そのために

○ 諸外国の内容を教材とする場合に、その国の風土、人間生活をわが国と比較しながら取り上げる。

○ 国際理解を内容とする授業の場合に、国際理解は「人間理解」が基盤であることを意識して教材化する。

(3) 試行授業の実践(資料3参照)

それぞれの教科・科目において、国際理解を図るために、特に工夫して展開すべき単元と授業で取り上げる題材を検討した。その結果を一覧表にし、その一部を試行授業として、校内において公開することとした。六十二年度には九十四時間、六十三年度には九十五時間の国際理解教育対象授業が計画されたαそのうち六十二年度では二十二時間、六十三年度は二十七時間を試行授業として校内で公開し、授業研究の対象とした。それぞれの授業で国際理解を促す内容の教材化に工夫がみられたこと、さらに生徒を動かす指導法にも努力の跡がみられるなど、国際理解教育の推進とともに、各授業で生徒を動かす工夫がみられるようになった。

2、英語のレシテーションコンテスト

文法中心の英語学習から、話すことを目標とした英語学習をさせるために、文化祭行事の一環としてスピーチコンテストを取り入れてはという声があった。本校生の実態からみて、当初はレシテーション(暗唱)コンテストを実施し、その後にスピーチコンテストに移行することとした。暗記させる英文の内容は国際理解教育の目的に沿い、異文化の理解を促すものや国際社会に関するものを選定した。

六十二年度

一学年…The Year 2000

二学年…Global Interdependence

三学年…Punctuality Is Important

(1)方法

各学年ごとに暗記すべき英文の内容を示し、一定の期間をおいてクラスごとに暗記テストを実施した。その中で特に優秀な者二名がクラスの代表となり、全校のコンテストに出場した。コンテストの実施は生徒会の国際理解委員会が実行委員となり会の運営にあたった。審査は校内の英語教師と県南にきている英語指導助手があたった。

参加した多くの者は「自信」がついたと言っており、その後の英語の勉強に意欲的に取り組む生徒がみられるようになった。

 

(二) 主として国際交流にかかわる活動

 

棚倉町には、町当局が招へいした国際交流外国青年がオーストラリアから来ている。町の協力を得て、本校ではLHRとクラブの実施日には来校していただき生徒との交流を深めてきた。1、LHRにおける国際理解教育

LHRの内容の一つに「人間として

 

資料3) 試行授業の計画と実施

 

 

 

 


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