教育福島0138号(1989年(H01)04月)-024page

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回の開催を計画した。本校の国際交流研究活動の重要な分野としてとらえて実施してきた。

第一回  (六十二年九月二十二日)

「豪州と日本の習慣の違いとカルチャーショックについて」

講師…ジリアン・フーバー女史

略歴…豪州国立大卒業、国際交流員として棚倉町に来日。

第二回  (六十二年十一月十日)

「違いを越えて理解し合おう」

講師…ロイ・シュランガスキー氏

略歴…アメリカ人、京都の学校で教鞭を取った後、桜の聖母短期大学助教授として活躍、六十二年十二月に他界。

第三回  (六十三年二月十六日)

「ギリシャヘの招待」

講師…スピロス・ディミトリウ氏

略歴…アテネ生まれ、大学卒業後に来日し五十七年よりギリシャ観光局に勤務。

第四回  (六十三年六月十四日)

「総合的見地から見た日本とアメリカの共通点と相違点」

講師…ジェフリー・サクス氏

略歴…パリ生まれで米国籍、ブラウン大学卒業後、博士号を取得、六十二年にMIT・日本科学技術交換プログラムで、東京大学工学部に在学。

第五回  (六十三年九月二十九日)

海外日系人の活躍について「私の歩んだ生活−」

講師…一木武俊氏

略歴…京都生まれ、立命館大学卒業、四十九年技術者としてカナダに移住、国際協力事業団の協力員として来日。

第六回  (平成元年三月七日)

「私の見た日本」

講師…肖 敏捷氏

略歴…中国生まれ、武漢大学大学院卒(日本文学専攻)六十三年一月〜福島大学大学院の政府留学生

(紙面の都合で講演の概要は割愛した)

 

(三) 学校課題の研究

1、方法

国際理解に関するアンケートの結果、生徒は郷土についての理解と関心が非常に低いことがわかった。国際理解は自国の文化の理解なしには成立しないとすれば、郷土の理解が最も基本でなければならない。

さらに本校の生徒の中には長文を書くのが苦手な生徒、あるいは日常的に課題意識の薄い生徒などが多く、学習指導の面において活力に欠けていることが話題になっていた。

国際理解の基本としての郷土の理解とあわせて、自ら課題を発見し、調べ、まとめることなどによって、意欲的な学習生活へ立ち向かう契機になればという期待を込めて、自分の郷土の課題に取り組ませることにし、一、二年生に長期休業中に課題研究をさせた(資料5参照)。

2、研究物の提出

(1)夏期休業中に調査して提出じた者は、一年生四十八名、二年生二十七名、冬季休業中の提出者は一年生六十一名、二年生三十四名であった。六十三年度中に学校課題の提出率は一年生で六十三パーセント、二年生で三十七パーセントであり、強制的でない割には多くの生徒が提出したと評価している。

(2) 研究物は学期ごとに「−年度学校課題研究集」として製本し、図書館の書架に置き永久に保存することにした。

(3) 奨励のため、研究物の中で、特に優れている者は表彰し、副賞を与えている。

 

五、アンケートの実施と結果

 

(本研究の評価を含めて)

六分野に三〜四の枝問を設け、十八問のアンケートを、六十二年七月二十日と六十三年七月二十日に、同じ内容で実施した。六十二年度のアンケートは、研究の方向性を探るものであり、六十三年度のものは一年間の研究の成果について知るために実施したものである。

◎ アンケートの結果について

・第一分野一外国人との交流)

この分野の内容として、外国人との接触に対する抵抗感、留学の意志、学校や家庭に外国人留学生が来た場合の受け入れなどの四問である。同じような質問は須賀川女子高校でも実施している。本校は須女に比べ、すべての質問で肯定的に答えた者(肯定的意識者)の割合が低い。特に第一次と第二次を比べると肯定的意識者の割合が下がっている。これは英語指導助手および外国青年との交流を深めていく中で、会話が成立しないという現実に直面し、戸惑っている姿であると評価している。第二次アンケート後に、アメリカ人留学生をスムーズに受け入れている現実があり、抵抗感はなくなっているものと考えている。

 

三十三ページへ続く

 

国際理解と交流に成果あった講演会

国際理解と交流に成果あった講演会

 

 

 


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