教育福島0138号(1989年(H01)04月)-050page
教育事務所だより
県南教育事務所
〒961 白河市字昭和町269
TEL(0248)22−1111(代)
矢吹町立三神小学校、鮫川村立鮫川中学校は、昭和六十三年度・平成元年度の二年間、文部省の指定を受けて研究実践に取り組み、その成果が大いに期待されています。
県南地区では、この他にも創意と工夫に満ちたすぐれた教育実践活動が各校で行われています。
郷土教育
ふるさとを見なおし、ふるさとに学ぶ意欲的な児童の育成
矢吹町立三神小学校
「郷土教育」をどうおさえれば良いのか、全職員が迷いながら手さぐりの実践をしてきました。結論としては人間のあたたかさ、自然のすばらしさを直接経験を通して知ることだと考えました。この考え方に基づいて、「心の貯金」をふやす運動を地域との連携で進めています。「ハイ」素直な心、「ありがとう」感謝の心、「すみません」反省の心、「おかげさまで」謙虚な心、「私がします」奉仕の心、これを三神小五心としており、これを学校でも、家庭でも実行できれば「心の貯金」がふえると考えました。
また、三神小だよりを年十回発行し全戸に五、六年生の部落の班長が配布していますが、あいさつの場としても、地域との連携としても効果があがっています。ふるさとの先輩の方々の研究資料も単行本に印刷して活用しています。「三神の昔話」、「三神の植物図鑑」「矢吹の地名の由来」これらを授業の中や日常生活の中で活用しています。敬老参観日、星を見る会と焼きいもづくりの実践、昔話を劇化した学習発表会、老人の指導によるぞうり作り一写真)、歴代PTA会長会の結成など地域総ぐるみの実践をすすめています。研究公開は十一月十日を予定しています。
奉仕体験学習
豊かな心と実践力を育てる道徳教育
鮫川村立鮫川中学校
「やったあ」菊づくりをした三年生の第一声である。自分たちが育てた大輪の花を見て生徒たちは感動を素直に表現し、美しさに酔っているようである。
本校では昭和六十三年度から平成元年度の二年間にわたり奉仕等の体験学習と道徳の時間の関連について研究を進めることになり、菊づくりもその一環として思いやりや感動する心を育て情操豊かな生徒を目指して実践したものである。土づくりの時には消極的で作業態度も決して好ましいものではなかった生徒たちが、苦労しながら菊を育てたことによって、いたわりの心や責任感が増し、またやってみようという意欲がわいてきたのは貴重なことである。
地域のお年寄りにぞうり作りを学ぶ
菊の植え換えも心をこめて