教育福島0138号(1989年(H01)04月)-054page

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ふるさと探訪県指定重要文化財(建造物)

旧岡崎家住宅(一棟)

旧岡崎家は江戸初期から中畑村(現矢吹町)の世襲の庄屋を勤めてきた。

この住居は、明和七年(一七七〇)に着工、翌年に竣工したことが、その所蔵文書により知られる、村役人層農民の住居である。

同時期の普通農民住居と比較して、桁行、梁行とも五割以上大きく、その分を座敷通りの隣に挿入した「へや」通りや下手上間の拡張に当てている。全体はヒロマ型四室列構成でありながら、居間通りの前方に「ひろま」を仕切り、その下手隣には内玄関である「けごみ」を設けるなど、ヒロマ型平面が実質的変化をみせはじめているのは特色の一つである。また、上間下手前隅の内馬屋かその保存している記録と照合すると、県南地方の内馬屋の早期の姿や位置を示しているのも興味あるところである。床・棚・書院の座敷飾りをはじめ、各室各部とも上層農民住居らしく地域に先がけて人念な造りが採用されている。

近年河東町に移築されたが、十八世紀後半の遺構で、かつ難立花録も保存されているのは県下の民家では少なく特に貴重である。

所在地 河沼郡河東町大字南高野宇高塚山一六八六番地六

所有者 (株)会津武家屋敷

全景

全景

外から見たげんかん、つぎのま、じょうだん

外から見たげんかん、つぎのま、じょうだん

平面図

平面図

ふるさとの文化財


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