教育福島0139号(1989年(H01)06月)-008page

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特集1

 

社会参加を目指した養護教育の推進

社会参加・自立を目指した養護教育

養護教育課

 

一、はじめに

 

わが国の養護教育は、明治十一年に開設された京都の盲唖院をもって、その始まりとされており、以来百十年の歳月を経たことになります。また、今年は盲学校、聾学校教育の義務制施行後四十一年、養護学校教育の義務制施行後十年を経過した年に当たり、養護教育にとって大きな節目の年といえます。

養護教育とは、いろいろな原因で身体面や精神面になんらかの障害があるため、小学校や中学校の通常の学級における教育では十分な教育効果を期待することが困難な子どもたちに対しては、その障害の種類と程度に応じて、盲学校・聾学校・養護学校及び小学校・中学校の特殊学級において特別な配慮のもとに手厚い教育を行うものです。

本稿では、これらの学校や学級において(子どもたちの可能性を最大限に伸ばし、可能な限り社会参加・自立(以下、「社会参加」という)を目指して一人一人の障害の状態に応じた、きめ細かな指導を展開している現状について紹介します。

 

二、本県養護教育の現状

 

昭和六十三年五月一日現在、二十三の特殊教育諸学校本・分校で、千六百二十八名の子どもたちが教育を受けています。また、小学校・中学校の特殊学級では、三百七十六の学級で千六百七十一名の子どもたちが教育を受けています。これは、本県の学齢児童生徒数の約一パーセントに当たり、この就学率は全国平均とほぼ同じという結果になっています。(表1参照)

また、県養護教育センターが、昭和六十一年に開所し、本県養護教育の中心的な教育機関として、心身障害児の教育相談、養護教育関係職員の研修及び養護教育に関する調査、研究等を行っています。特に、教育相談については、嘱託医五名一小児科、精神科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科)を委嘱しており、必要に応じて医学的な検査診断も行っています。費用も無料ですので、心身障害児の養育、就学、学習指導、進路等の相談には、気軽に利用していただきたいと思います。

なお、盲学校、聾学校、養護学校及び養護教育センター等の設置状況を図に表したのが次ページの図1です。

 

三、心身阻害児の社会参加

 

特殊教育諸学校では、小学部、中学部、高等部が設置され、一貫して社会参加・自立を目指した教育が行われています。

特に、各教科、道徳、特別活動のほか、児童生徒の心身の障害に基づく種々の困難を克服させ、社会によりよ

表1 本県の特殊教育諸学校及び特殊学級の現状

○特殊教育諸学校 (昭和63年5月1日)

○特殊学級

○特殊学級

 

 

 

 


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