教育福島0139号(1989年(H01)06月)-021page

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自ら進んで実践する生徒の育成

−須賀川市立第一中学校−

 

一 主題設定の理由

本校における実態調査や生徒指導の事例から考察すると、本校の生徒は、素直で理解力・判断力に優れているが、実践力に乏しく、日常生活の中で生じた様々な問題を自分たちの問題として直視し、それらに真正面から取り組もうとする意欲に欠けている。これを生徒指導上の課題ととらえ、その解決を図るため標記の主題を設定した。

 

二 研究の見通し

学校・家庭・地域社会が同一歩調で働きかけ、生徒の自己理解や、実践活動を積み上げさせることを通して実践力の育成が図れるという見通しに立ち研究を計画・実践・評価のサイクルのもと推進する。

 

三 研究の視点

生徒指導は、綿密な計画のもとに自己存在感、人間的触れ合いを十分機能させ生徒一人一人の自己実現を図ることである。研究実践に当たっては主題に迫るための視点として、次の四点を設定し、更にこれに基づいた四部門を置いて実践研究を深めてきた。

(一) 授業充実による自己教育力の育成

(二) 生徒の自主的活動の助長と成就感の感得

(三) 共感的理解に基づく基本的生活習慣の確立

(四) 地域連携と総合的援助指導

 

四 研究実践

 

教科等指導部

 

(一) 研究のねらい

「わかる授業の実践により、自ら進んで学習する生徒を育成する」

 

(二) 実践内容

(1) 基本的学習習慣の確立

1)「学習の約束」の徹底指導

授業での基本的行動様式を五項目の観点にまとめ、毎日自己評価させ、自己理解の深化を図った。(資料1)

2)家庭学習改善のため助言指導

「学習の手引」の活用を図り、学び方の指導と学習記録帳による相談指導を継続して行い、習慣形成に努めた。

(2) 授業の質的改善

1)基本的指導過程のモデル化

「わかる授業」の実践を目指し、次の点を重点指導項目として授業研究を重ねてきた。(資料2)

ア、学習課題の明確化

イ、主体的な学習場面の設定

ウ、自己学習・協力学習の展開

工、基礎的、基本的事項の定着指導

2)相互授業参観の実施

教料指導を通しての生徒指導研修の機会とし、次の点を主眼に、空き時間を利用して行ってきた。

ア、個に応じた指導の展開

イ、認め、励まし合う集団形成

(3) 道徳教育の充実

1) 重点指導の主題選定と指導の強化

2) 指導計画の改善と資料の収集・活用・保管

授業における生徒指導は、指導時間、継続生の両面において最も効果が期待される領域である。この領域で真に生徒に存在感を与えているかどうかを常に念頭に置き、指導に当たることが肝要であることが確認された。

 

資料1 アップノート班集計表

○の数を班長に報告する。

班員のを記録する。

班のをまとめる等学級で工夫する。

特別活動指導部

 

特別活動指導部

(一) 研究のねらい

「生徒一人一人を自主的に活動させることにより実践力を育成する」

 

(二) 実践内容

(1) 学級会活動の充実

1) 係活動(班活動)の時間の設定

活動を計画・評価させるための時間に金曜日の創意の時間三十分を当て、討議活動の充実を図った。また、結果の発表、相互評価を経て活動内容の質的向上を図ってきた。

2) 班長会の定例化

班長の企画力の育成、集会活動の実践による推進力の向上のために、水曜日の創意の時間をこれに当て、諸活動を展開しリーダーの育成に努めた。

ア、学級・学年班長会の定例化

 

 

 


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