教育福島0139号(1989年(H01)06月)-033page
(3) 環境美化への関心が薄く、ゴミを放置したり、清掃を怠ける生徒も見受けられる。
(4) 身体的不調を訴える生徒が多く、その理由は生活上の不摂生または原因不明の場合が多い。
2 特別活動について
(1) 各種行事、ホームルーム、部活動等に、目的意識を持たずに参加している生徒が多く、進んで好ましい人間関係を持とうとしない生徒が見受けられる。
(2) 集団生活を通して積極的に自己の進路決定を図ることができず、不安感、あきらめ意識を抱きながら生活している生徒が目立つ。
3 学習について
(1) ほとんどの生徒が教科書を教室に置いたまま下校しており、従って家庭学習を全くしない生徒が全校生の約半数を占める。
(2) 授業内容が理解できない等の理由から、学習意欲がわかず、学習内容に興味・関心を持てない生徒がかなりの数にのぼる。
六、研究のねらい
本研究では、第一に今後育成する生徒像を「自立する高校生」とし、「自主性」・「社会性」・「自己学習力」および「自覚ある高校生」の四つの資質を高めることを目標とする。
第二に、これらの資質を育てる場として、「自らの生活を考える場」・「活動する場」・「自らすすんで学習する場」の三つを設定し、それぞれの生徒の発達段階に即した働きかけをする。(資料1参照)
第三に、このことを実現するため、本校の実態を踏まえ、次の四点に配慮する。
○ 自らの生活をみつめ、考え、判断する機会を設けること。
○ 自己実現が確認でき、自己実現が図れる機会を設けること。
○ 人間性あふれるふれあいの機会を設けること。
○ 自主的に学習する機会を設けること。
第四に、このような基本的な考えについて、それぞれの分野について研究実践する三委員会を設置する。
○ 生活指導研究委員会
○ 特別活動研究委員会
○ 学習指導研究委員会
それぞれの委員会は次のような課題を研究する。
生活指導研究委員会は、「自らの生活を考える場」を通して生徒が自らの生活の実態をみつめ、考え、生活を改善していく能力を高めて、正しい生活習慣の確立が図れるよう、援助する方策を研究する。
特別活動研究委員会は、「活動する場」を設定して、学校集団の一成員として行動し、その行動を通して自己の存在意義を確認したり、また、心のふれあいにより友情を深め社会性を身につける具体的な方策を研究する。
学習指導研究委員会は、「自らすすんで学習する場」を設け、授業及び学習活動において効果的な学習法や、基礎・基本を体得することにより、「学習するよろこび」を味わい、自主的な学習態度を育成する方策を研究する。
七、実践・研究活動
生活指導
(一) 登校・校内巡視指導
1 研究の見通し
教師が毎日、生徒に声をかけ、生徒との心のふれあいを通し、挨拶の習慣化や高校生としての自覚を促すことにより規律ある生活に導くことができる。
2 研究方法
(1) 登校指導
1)毎朝八時十五分から三十分間、JR内郷駅前、通学路交差点、校門、昇降口で当番表により交替で登校指導する。
(2) 校内巡視指導
1)職員週番当番表により毎日休み時間及び放課後に校内を巡視し、指導する。
3) 巡視指導の結果を朝の職員打合せ時に報告し、共通理解に基づいた指導に当たる。
3 研究の成果と今後の課題
通年の登校指導は六十一年度より始めたが、当初は登校時に挨拶をする生徒も少なかった。また遅刻者や登校態度の悪い者も多くおり、注意を無視したり、指導にさからったりする者もいた。
昭和六十二・六十三年度に文部省の研究指定を受けたのを機会に登校指導の実施計画を見直し全職員がその指導
資料1 目標と研究活動との関連