教育福島0139号(1989年(H01)06月)-034page

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に取り組んだ。その結果、生徒と教師との間に望ましい人間関係が生まれ、挨拶の習慣も身につき、明るさがみられるようになってきた。また遅刻カードを活用することは、生徒が自ら生活状況を見直すことになり、遅刻者の減少につながった。さらに、このことを通し、教室では見られない生徒の一面を知ることができ、生徒理解にも役立った。

ただ年間を通して登校指導を行うことは、負担が大きいので、より効果的な計画立案と、実施の工夫とを検討したい。

また、校内巡視指導を継続した結果、休み時間や放課後の時間を有意義に過ごす生徒の姿が見られるようになった。また、このことは無断外出の減少や喫煙防止にも役立った。

今後は教師間のよりよい協力体制を強めるとともに、昼休み時の体育館、図書館等の施設の有効利用を図るなどして、指導の徹底を図っていきたい。

 

(二) 服装の自己診断

1 研究の見通し

服装・頭髪の指導については、指導を月例化し、生徒に自分の姿を自己診断させることによって、自主的に服装を端正にするよう指導する。

2 研究方法

(1) 「自己診断カード」を活用する。

(2) ホームルーム時にカードを生活委

員が配付し、生徒は自己診断の結果を記入する。組担任がカードを回収し、指導する。

3 研究の成果と今後の課題

指導の結果、服装・頭髪を「自己診断」する習慣を身につけ、自己の姿を絶えず見つめながら生活できる生徒が増えてきた。また、服装・頭髪の基準について、改めて関心を持った生徒も多い。

記入された生徒の自己評価も教師とほぼ同じであることがわかった。

しかし、ホームルームの年間計画の中に月例指導を組み入れてみたが、行事やクラスの計画との関係から統一のとれた指導は出来なかった。共通理解の上に立った職員相互の協力体制の確立及びより明確な指導基準の設定が必要となる。

 

(三) 清掃活動への積極的参加(略)

 

(四) 教育相談の実施

1 研究の見通し

生徒と担任との面談を通して、学校生活全般について話し合い、相互の信頼関係を作りあげるとともに、正確な生徒理解に基づいた適切な指導を行う。特に効果的な面談を実施するためには

「個人相談カード」を活用し、生徒の生活状況(生活リズム)の概要をとらえ、指導する。

2 研究方法

(1) 年間行事計画に年二回(四月と九月)の個人面談旬間を設定し、放課、後を利用し実施する。

(2) 生徒は面談前に「個人相談カード」に、一日二十四時間の生活状況、学習、家庭生活の状況、進路希望、悩み等について記入する。

(3) 面談は必要に応じ随時実施する。

3 研究の成果と今後の課題

相談カードを活用した結果、事前に生徒の生活のリズム、悩み等の概要を把握することができ、問題点を絞った面談ができた。第二回目の時は、前回のものと比較して、生徒の変容を見ることができ、面談の資料として生かされた。

更に、保護者との連携により、問題点の改善に努め、生活の正しいリズムを取り戻すことができた事例もあった。

相談カードヘの記入については、まだ自己の内面の表出に抵抗を感じている生徒もいるので、今後は生徒との信頼関係を強め、更に、踏み込んだ相談ができるよう工夫したい。

 

(五) 学校と家庭との連携

1 研究の見通しと方法

(1) 家庭訪問の実施

担任、学年、生徒指導部が協力して行う家庭訪問により生徒理解を深める。問題を抱えていると思われる生徒には、保護者との連携をとるために電話を利用し、早期解決に努める。

(2) PTA組織との連携強化

社会情勢、環境の変化、生徒の多様化に伴う学校教育の対応が迫られている現状では、保護者の役割が重要である。

本校では、PTAとの連携を強め、本校の教育に対する理解が、得られよう努めている。

(3) 方部PTAでの情報交換

本校の方部PTAは、居住地を中心に、九方部に分かれ、方部役員会、総会、懇談会、補導等の独自の活動を続けている。方部懇談会には、学校側から多数の教師が出席する。

(4) PTA会報の発行

本校のPTA会報は、昭和四十六年以来、今日まで三十二号を数え、家庭との連携を図るPTA広報紙としての役割を十分果たしている。

(5) 登校補導の協力

補導は十月に一週間にわたって本校職員と保護者とが一緒に行い、保護者は一度に七名から八名参加する。保護者には、登校状況をつぶさに観察し、家庭におけるしっけに生かそうという積極的な姿勢が見受けられる。

(6) ホームルーム新聞の発行

生徒が入学後一日も早く高校生活に慣れるよう、又、保護者には学校の様子を理解してもらうため昭和六十三年度には毎月発行した。内容は、生活の規律、学習法、毎月の行事、HR役員・委員名、部活動の状況、定期考査等の結果と反省、進路、夏休み計画、読書案内、生徒の誕生日等について、子どものクラスでの状況や学校生活を容易に理解できるように、身近な観点


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