教育福島0139号(1989年(H01)06月)-044page

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養護教育センター通信

 

共同研究

心身障害児の指導援助のための実態把握の方法に関する研究

−実態把握の視点とその方法、その1−

 

一、はじめに

当養護教育センターにおいては開設以来、児童生徒(以下子どもという)の実態に即し、生き生きとした生活を援助するとともに心身障害児教育の充実を目指した研究を、共同研究という形で継続して進めてきた。

昭和六十一・六十二年度には、「心身障害児の適正就学の進め方に関する研究」を行ってきた。そこで問題になったことの一つに、適正に子どもを就学させ得た後に、当然のことではあるが適切に指導援助がなされなければならないということであった。

その第一歩として、子どもの実態把握の方法が問題となった。

 

二、研究の趣旨

子どもの実態把握で問題になるのは1)心身障害児を見る視点、2)その視点から実態をとらえる方法、3)とらえた実態の教育的対処への生かし方等についての研究・実践がまだ十分に整理されていないことである。

そこで、「心身障害児の指導援助のための実態把握の方法に関する研究」の主題を設定し、前記の観点について研究を進め、心身障害児の望ましい教育実践の一助にしょうとした。

 

三 研究の構想

本研究は、以下の三点を踏まえて、昭和六十三年度から平成二年度まで三年計画で行う。

1 盲・聾・養護学校、小・中学校特殊学級における心身障害児の実態把握の方法や把握した実態を基にした指導援助に関する実状をとらえる。

2 心身障害児の実態把握や実態を基にした指導援助に関する研究・実践の資料を検討する。

3 指導援助のための実態把握の試案を作成し、いくつかの事例について適用を試みる。

第一年次は、テーマを「心身障害児の実態把握の視点と方法」(その一)とし、実態把握と指導援助に関する調査研究、及び理論研究を推進した。

 

四、第一年次研究の概要

1 心身障害児の実態把握と指導援助に関する調査

1) 調査の目的

心身障害児の教育に携わっている教師が心身障害児の実態把握のねらいや方法、把握した実態の指導への生かしかた等についてどのように考え実践しているかを詳しくとらえる。

2) 調査の対象

県内の盲・聾・養護学校、及び小・中学校特殊学級の担任の中から四百名を抽出した。その内訳は、盲・聾・養護学校二百五十名、特殊

 

資料1 調査項目 (一部抜粋)

1 記入者自身のことについて

(省略)

2) 指導計画を作成したり、学習指導を進めたりする場合のことについて

1)子どもの実態把握の必要性を特に感じるのはどういうときですか。(五選択肢)

2)学習指導に関する実態を把握するときどんな側面(部分)を重視しますか?(五選択肢)

3) 2)で答えた側面を知るために資料を、主にどんな手段で集めていますか。(五選択肢)

4) 子どもの実態に関する記録の整理を、どのようにしていますか。(五選択肢)

5) 子どもの実態について把握した事実等をどのように意味付けし、それを指導援助のためにどう生かしていますか。(五選択肢)

6) 省略

 

表1 調査回答者の養護教育経験別人数一覧

(A) 盲・聾・養護学校教員

(B)小・中学校特殊学級担当教員・

(B)小・中学校特殊学級担当教員・

 

 

 

 


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