教育福島0139号(1989年(H01)06月)-047page

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ていない。窓ガラスを通して入る日だまりの中で、スヤスヤ居眠りをしている光景なども時に目にすることもある。

また、ここは社交の場でもある。おもちゃ箱があり、そこには各種の玩具やゲームが入っている。ケン玉、おはじき、将棋、オセロ、トランプ、百人一首…。自由時間になると、友だち同士がこれらの遊びに興じている。二年生が四年生にオセロゲームの挑戦をしている姿も見られる。みんなと触れ合えるのはもちろんのこと、ここにいるだけで、学年を問わない自然な人間関係が培われていく。

学校にはいろんな個性を持つ子どもが集まっている。勉強をするのが嫌いな子、ひとりでぼんやりしていたい子、本を広げていたい子、みんなでにぎやかにしていたい子…。「みんなの広場」は、どんな児童でも自由に出かけていき何でもできる。ひとりでも集団でも、ほんの少しの時間でも、ここを利用し自分らしさを表現できる。ここは、子どもたちの「いこいの場」でもある。

この広場が活用され始めてから三年が過ぎた。ジュータンのあちのこちにすり切れも目立つようになってきた。それだけたくさんの児童や保護者に利用されたのだと思う。すり切れ、大歓迎である。

「みんなの広場」での読書

「みんなの広場」での読書

 

さまざまな活動を通し個性を伸ばす

白沢村立和田小学校

 

本校は、西に「智恵子抄」で有名な安達太良山がくっきり見える小高い丘にある児童数二百七名の学校である。

休み時間になると、オープンスペースには、児童の集団がいくつもできる。高学年では、パソコンクラブの児童の操作を見ながらパソコンの動かし方を覚えようとしている児童がたくさん見られる。

このように、本校には、オープンスペースを始め、多目的ホール、視聴覚コーナーなどがあり、児童活動のいろいろな試みがなされてきている。

オープンスペースは、学習活動の場としての使用も多く、個別学習や小集団学習、一斉学習などに活用されている。社会科におけるごっこ活動や資料作り活動、算数科における具体物を用いた操作活動、理科における観察学習などに効果を上げている。

吹き抜け構造になっている多目的ホールは、毎週行われる音楽集会や全校集会及び児童会総会、そして各学年の笹かざりを競い合う七夕集会など、全校児童が集う場として活用されている。

また、三十六インチ大型テレビのある視聴覚コーナーには、ビデオやビデオディスクが設置され、いつでも視聴できるようになっているため、教室から移動した学習が展開されている。

このように、オープンスペースは学習面での活用が大半を占めているが、休み時間や放課後の自由時間での活用も見逃せない。友だち同士で読書したり、話し合いをしたりしている姿からは、オープンスペースを子どもたちが自分の世界を広め、深め合う貴重な場としていることが理解できる。

さらにさま、ざまな活動が児童と教師の結びつきを深めて一人一人の児童の個性を発見する機会となり、それを契機に、児童の発達を促す創意工夫が教師の手で生みだされるようになってきている。

毎週開かれる音楽集会

毎週開かれる音楽集会

広いスペースを使っての「ごっこ活動」

広いスペースを使っての「ごっこ活動」

 

 

 


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