教育福島0139号(1989年(H01)06月)-049page
美術館だより
開館五周年記念
「日本的フォーヴィズムの一断面」展
会期七月一日(土)〜八月六日(日)会場県立美術館
西欧的な近代化が進んだ一九二〇年代から三〇年代の日本は、美術の分野においても抽象美術やプロレタリア芸術など、多様な芸術観や世界観に立脚した絵画が登場し、さまざまな表現が試みられました。その中にあって、第一次世界大戦の終結とともに、日本から若い画家たちが渡欧し、ヨーロッパの新しい造形思考を日本にもたらしました。とりわけ彼らが強い関心を示したのは、マティスやヴラマンクらフォーヴィズムの画家たちの絵画でした。一方、油彩という西洋絵画の技法によりながら、日本的な絵画の創出をめざした画家たちもいました。
この展覧会では、フォーヴィスムの芸術の持つ、色彩を基調とした表現、意識的な歪形、画面の平面化と単純化などの造形上の特徴や、主観的な表現などをとりいれながら、独自の表現をつくりあげようとした二十一人の画家たちの、一九一九年から一九四一年の間に描かれた作品百余点を展示し、日本の洋画史のなかで大きな位置を占める<日本的フォーヴィズム>の意義と成果を見ようとするものです。
主な出品作家
梅原龍三郎 児島善三郎 佐伯祐三
里見勝蔵 須田国太郎 鳥海青児
長谷川利行 林武 前田寛治三岸好太郎 安井曽太郎
観覧料
一般・大学生八二〇円(六六〇円)
高校生六一〇円(四六〇円)
小・中学生四一〇円(三〇〇円)
( )内は二〇名以上の団体料金
">三岸好太郎「お面の男」一九二九年
佐伯祐三「門と広告」1925年
梅原龍三郎「城山」1937年