教育福島0140号(1989年(H01)07月)-010page

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このような観点から各教科等の指導に当たっては、次のような場と機会を設定する必要がある。

 

(1) 学習活動への適切な動機を与え、学ぶことの楽しさや成就感を感得させる。

・実物に触れる学習や体験的学習など学習の手段や方法の工夫

・児童生徒の能力・適性、興味・関心への配慮

(2) 何をどのように学ぶかという主体的な学習の仕方を習得させる。

・学習の手段、手だてを明確にし学び方を学ばせる指導の工夫

・問題解決的学習あるいは探究的学習を重視した指導の工夫

 

4、文化と伝統の尊重と国際理解の推進

 

国際化が進む中にあって、次代に生きる日本人を育成するためには、日本の文化と伝統を大切にする態度を育成するとともに、諸外国の人々の生活や文化を理解し尊重することを重視していく必要がある。国際社会に生きていくために必要な資質を養う観点から、自国の文化や伝統を愛し、関心や理解を深める指導とともに、日本人としての主体性を保持しつつ世界的視野で考え行動できる日本人の育成は、国際化に対応する教育の課題である。

そのためには、次の点に留意して指導することが必要である。

ア、日本人としての自覚をもって文化の発展に貢献するような教育の充実を図る。

イ、世界と日本とのかかわりに関心をもって国際社会に生きる日本人としての自覚と責任感を涵養するようにする。

ウ、歴史学習の改善、古典学習の充実、外国語によるコミュニケーション能力の育成、国旗・国歌の指導の充実等になお一層の配慮をする。

 

5、新学習指導要領の趣旨を生かした指導の充実

 

新学習指導要領の全面実施は、小学校にあっては平成四年度から、中学校にあっては平成五年度からである。移行措置は、二本立てで行われる。平成元年度は小・中学校とも新学習指導要領の趣旨を生かして現行学習指導要領の枠内で行い、平成二年度から全面実施までは、現行学習指導要領の特例を設けて実施する。

平成元年度の移行措置については、次官通達一元年三月二十七日一により、特例は設けないで、新学習指導要領の趣旨を生かして指導するよう努めることとされているので、次の点に留意して、充実した特色ある教育活動が展開できるように努める必要がある。

(1) 新小学校学習指導要領の第1章総則第1教育課程編成の一般方針及び第4指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項については、教育課程の編成、実施において積極的にその趣旨を生かすよう配慮する。

(2) 新中学校学習指導要領については総則第1及び第6について同様である。

なお、道徳、特別活動については、平成二年度から新学習指導要領により実施することとなるので、元年度中に、道徳では全体計画及び年間指導計画を、特別活動では具体的な指導計画をそれぞれ作成する必要がある。

以上、学校教育の改善を進める観点を述べたが、以下に示す具体的内容、方法を各学校の実態に応じ、力点を定めて努力し、二十一世紀に生きる「心豊かなたくましい人間」の育成を目指し努力することが大切である。

 

一、学校教育目標の見直しと具現化

 

1、学校教育目標の見直し

 

近年の社会変化は著しく、児童生徒の生活や意識も大きく変容してきているので、学校教育目標についても、社会の変化に対応していく必要がある。臨時教育審議会は第二次答申の中で、未来社会を展望し、二十一世紀に向けての教育目標として

○ ひろい心、すこやかな体、ゆたかな創造力

○ 自由、自律と公共の精神

○ 世界の中の日本人を示した。

さらに、教育課程審議会の答申では、教育課程の基準の改善のねらいとして

1)「豊かな心」と「たくましさ」

2)「自ら学ぶ意欲」と「変化への対応」

3)「基礎、基本」と「個性」

4)「国際理解」と「文化と伝統」の四点を提示した。

以上の臨教審や教課審の提言は、二十一世紀に向けての学校教育の在り方を明確に示している。各学校では、自校の実態に応じて、学校教育目標を見直し、児童生徒が社会の変化に主体的に対応できるようにすることが必要である。

学校教育目標の見直しに当たっては、次の点に留意することが大切である。

ア、自校が形成したい望ましい児童生徒像を明確にする。この際、臨教審が掲げた三つの目標と、教課審が示した四つの改善のねらいを踏まえる。

イ、関係法令、学習指導要領、県・市町村教育委員会の重点施策を踏まえ

 

 

 


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