教育福島0140号(1989年(H01)07月)-022page

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機的な関連を図り、効果的な指導に努める必要がある。

 

2、保健指導の充実

 

保健指導は、児童生徒の現実の具体的な健康問題に関する内容を取り扱い、学校生活はもちろん、生涯にわたり健康な生活が実践できるよう、その基本的な能力や態度の育成をねらいとし、特別活動及び日常の学校生活を通して行うものである。

1) 学級指導における保健指導

学校における保健指導の中で、最も計画的、具体的かつ実際的に指導が展開できる場は、学級指導であり、保健指導の中核的な役割をもつものであるので次の点に留意し、指導に当たることが大切である。

ア、年間を通して計画的に指導する。

イ、指導のための適切な時間を設ける。

ウ、学校や児童生徒の実態に即して内容を精選し、実習を取り入れるなど適切な指導過程を工夫する。

エ、児童生徒が自主的に健康な生活を実践し、その習慣化を図るよう指導する。

2) 学校行事における保健指導

学校行事を保健指導の立場からみると、大きく次の二つに分けられる。

一つは、保健、安全的行事に含まれる学校行事であり、もう一つは、行事本来の目的は外にあるものの、その行事の効果を高めるために保健的な内容を配慮して行うものである。

学校行事の実施に当たっては、保健に関する観点からの指導目標を明確にするとともに、教科及び学級指導における保健指導との関連をも十分に踏ま、え保健指導の効果をあげることが大切である。

3) 児童(生徒)活動における保健指導

児童一生徒)活動は、自発的・自治的活動を促進するものであり、児童(生徒)会活動、学級会活動及びクラブ活動がある。児童生徒の活動の目的を損なうことなく、学級指導や学校行事における保健指導の成果を生かした実践活動が行われるよう指導する必要がある。

4) 個に応じた保健指導

児童生徒の日常生活における健康観察を常時行い、一人一人の健康状態を十分に把握して、個に応じた適切な保健指導に努める必要がある。指導に当たっては、養護教諭をはじめ、関係教職員の連携を緊密にするとともに、学校医等の適切な指導、助言を受けることが大切である。

5) 学校生活における保健指導

保健の授業や学級指導の時間に学習した保健に関する内容が、登下校の時間を含めた学校生活全体の場においてどのように実践されているかを見極めることが大切である。さらに、特別な配慮を要する児童生徒に対する指導、援助に努めるとともに、個に応じた適切な指導ができるよう平素から全教職員の共通理解を図っておく必要がある。

 

3、安全指導の充実

 

安全指導のねらいは、児童生徒に対して、危険を予知し安全に行動できる態度や能力を身に付けさせることにある。そのためには、施設・設備・用具等の安全管理の徹底を図り、児童生徒の安全を確認する必要がある。

(1) 生活安全指導

学校指導や学校行事等で行う安全指導は、児童生徒の発達段階に応じて系統的、計画的に指導するものであり、日常生活におけるいろいろな危険を予測して、常に正しい判断のもとに自主的に安全な対応ができるよう指導することが必要である。

(2) 交通安全指導

学校における交通安全指導は、自他の生命尊重の基本理念に立ち、身近な交通環境の中で、多様な危険に気付いて的確な判断のもとに安全な行動ができる態度や能力を養うことが最も重要なことである。

 

4、給食指導の充実

 

学校給食は、児童生徒の健康の増進や体力の向上を目指すとともに、楽しい食事を通して、望ましい食習慣の形成と好ましい人間関係の育成をねらいとしている。給食指導は、なごやかな雰囲気の中で児童生徒と食事を共にしながら、人間的ふれ合いや個人理解を深めるなど、学校教育に果たす役割は極めて大きい。学校給食に関する指導は、教育目標との関連を明確にし、学級指導に位置付けて指導することを基盤としながら、各教科、道徳、特別活動との関連を図り、発展的、系統的に行うことが必要である。

小学校における指導内容は、食事の準備から後片付けまでの基本動作が円滑にできること、協力して運搬、配膳を合理的、能率的に行うことができることなどで、児童の実情を配慮しながら、段階的に指導する内容を適切に設定する必要がある。

中学校においては、楽しく会食できる雰囲気づくりをはじめとして食事のマナーの向上や、健康の保持増進に資する正しい栄養摂取の問題など多くの分野にわたる内容を取り上げて指導することが必要である。

 

十一 教職員研修の充実

 

今後の学校教育活動には、自ら学ぶ意欲と、社会の変化に主体的に対応で

 

三十一ページに続く

 

 

 


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