教育福島0140号(1989年(H01)07月)-042page

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教育センターから

 

基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究

−第 年次・実践研究−

 

一、研究のねらい

本研究は、学習指導の改善の視点から、個性重視の原則に立ち基礎的・基本的な内容を身につけさせる過程を通して、更にそれを基盤としながら一人

一人の個性を生かし、伸ばす学習指導の在り方を追究しようとするものである。

二、第一年次の研究(昭和六十二年度)

研究の第一年次は、「基礎・基本」と「個性」に関する文献研究をもとに理論研究を進め、調査用紙を作成して教師対象の実態調査を行った。

その結果、個人差に応じた指導の必要性や一人一人の「見方や考え方」を大切にする指導の重要性が明らかにされた。

三、第二年次の研究(昭和六十三年度)

第一年次の調査研究を基に、実践のための理論研究を行い、研究仮説を設定して小学校国語科、社会科、中学校数学科の三教科で実践研究を行った。

(1) 「基礎・基本」、「個性」とそのかかわりについて

基礎・基本は学習指導における基礎的・基本的な内容ととらえた。基礎的・基本的な内容は、「学習指導要領における教科の目標・内容」ととらえ、更に児童生徒の実態に即して取り扱われる「教材の価値」を含むものとした。

個性は、児童生徒一人一人の持っている「よさ」としてとらえた。これはどの児童生徒にもかけがえのない特性として見いだされるものである。

基礎的・基本的な内容が定着し、一人一人の「よさ」が生かされ育てられていく過程において判断力、表現力、創造力、思考力等の能力一本研究ではこれらの能力をジェクタビリティと呼ぶ)が深くかかわりを持つと考える。つまり、基礎的・基本的な内容の定着を図る過程において、把握した「よさ」を生かす場を設定すれば、ジェクタビリティが刺激され、それぞれが相互に作用し合うことによって、基礎的・基本的な内容の定着が図られ、「よさ」が伸ばされ育てられていくものと考える。

2) 研究仮説と実践研究の

方策

テーマに沿った「研究仮説」を設定し、仮説を実践的に検証していくために三教科共通に「実践の方策」から「実践への具体化の方向」及び「『よ

 

図1「よさ」を育てる学習指導の基本型

図2

図2

、thought(思想)のそれぞれの頭文字に−ability(能力)を合成したものである。

※ジェクタビリティ(Jectability):造語 Judgment(判断)、expression(表現)、creation(創造)、thought(思想)のそれぞれの頭文字に−ability(能力)を合成したものである。

 

 

 


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