教育福島0140号(1989年(H01)07月)-050page
ふるさと探訪
県指定重要文化財(工芸品)
青磁牡丹唐草文大瓶(一口)
この大瓶は、十四世紀前葉(鎌倉時代後期)に中国龍泉窯で製作されてわが国に舶載され、いずれの時代にか興徳寺に将来されたものである。長く破損したままであったが最近修復した。
器高は四六・二センチメートル。色調は美しいオリーブ色で緩やかに開く口頸部と倒卵形の体部からなる。□頸部に三本一組の沈線を十二段巡らし、体部には牡丹唐草文と鎬のある蓮弁文をもつ。底部は内側から落とし込んで底を作る承托技法を採用しているのも特色である。
所在地会津若松市栄町二番十一号
所有者興徳寺
器高四六・二cm 口径二〇・〇cm
底径一二・五cm 最大径二一・二cm
県指定重要文化財(歴史資料)
紙本著色飯野八幡宮絵図(一幅)
この絵図には、飯野八幡宮の境内、八幡宮供僧の寺院坊、諸職の屋敷、堀、土塁及び流鏑馬馬場等が克明に描かれている。
ここに描かれた建物と近世中期以降に描かれた絵図のそれを比べると、その形が相違しており、また主要な建物の配置も異なっている。
特に慶長十九年(一六一四)の火災の直後に建てられ、存在した仮殿が描
かれていないことから、慶長の火災以前の様子を描いたものと言える。慶長初期の様子を表現したものとして貴重な資料である。
所在地いわき市平字八幡小路84番地
所有者飯野八幡宮縦133.2cm 横159.8cm
宝殿付近(部分)
ふるさとの文化財