教育福島0141号(1989年(H01)09月)-013page

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3)研究授業を計画的に行い、その都度研究会を開いて、指導の改善を図った。

ア 研究授業の回数をほぼ全員の担任が実施できる程度に設定する。

イ 全員参観、学年単位参観を設定し、研究の効率化を図る。

ウ 授業では、生徒の調査や発表を取り入れて、生徒の活動を積極的にするよう努力する。

(7) 進路相談の実施と相談室の活用

定期相談・随時相談を設けて自己理解に役立たせるとともに、生徒理解に努めた。

1) 定期相談は、七月と十二月に延べ七日間程度と創意の時間に四回行う、

2) 随時相談は、主として放課後に行う。自主来談が多くない現状では、授業での観察や生徒の記録をもとにチャンス相談を多くする。

3) 相談室は随時使用できるようにする。校舎の構造上、部屋の新設は不可能なので、教室利用も考える。

4) 相談票は、記録累積のため、自由に記入できる形成に改める。

(8) 情報・資料の整理と掲示

目的意識育成のための掲示を行い、また、情報コーナーを設けて進路への関心を高めさせる。情報コーナーは、学年ごとに利用できるように、主として学年廊下の空間を活用して三か所設置する。

1) 調査結果の整理と分析をする。

2) 必要な情報や資料をそろえ、授業での利用を働きかける。

3) 資料コーナーや掲示板を整理する。

(9) 保護者の啓発と連携のための研修会や広報活動の実施

生徒の進路の選択は、保護者の考えに強く影響される。生徒の特性や進路計画について適切な指導助言ができるようにするために、研修会や広報活動を通じて啓発し、連携を図ってきた。

1) 保護者への情報提供を行い、関心を高める。

ア、アンケートの実施によって生徒の進路への関心を高め、また、保護者の意識を把握する。

イ 生徒の意識調査結果を知らせ、現状を認識してもらう。(資料5参照)

進路広報紙の発行により、研究の推進、生徒の様子、進路情報などへの関心を深める。

ア 「進路だより」を発行する。年三回程度とする。

イ PTA広報級との連携を図り、情報提供を増やす。

ウ 保護者研修講座を開催して進路について考えを深め合う。また、高校説明会や体験入学への参加を呼びかけ、参加してもらう。

 

七、おわりに

 

進路指導は、個々の生徒の人生設計、生き方にかかわる指導であるといわれており、学校の教育活動のすべての場で行われる。本校では、自己理解の深化と目的意識の育成のため、まず学級指導ではなにをすべきかという点に絞って研究を進めてきた。

情報収集や調査活動をする中で、生徒は自己を見つめ直すようになってきた。進路について考えようとする態度が出てきたことを、授業での発表や感想の記録などから感じられる。また、教師は、生徒の活動の場を工夫しながら計画的に学習させようとしている。

自己理解の深まりの分析、指導計画の一層の整備、保護者との連携強化など、課題も残されているが、生徒が将来の夢や希望の実現を目指して努力する意欲を育てていくために、この研究を精一杯続けていきたい。

 

資料5 生徒の意識調査結果(抜粋)

6 進路選択に関する考え方や取組み方  (数字は%)

 

 

 

 


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