教育福島0141号(1989年(H01)09月)-047page

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案している。

その一つに、南郷村青少年健全育成主張大会がある。小・中・高校生、青年の各代表十八名が、「村の将来について」・「僕のふるさとを考える」などの主題に基づいて意見を発表し合う。この主張が、会場の児童生徒・一般村民に深い感銘を与えるとともに、明るい村づくりのための一翼を担っている。

他にも、少年教室、ジュニアサマーキャンプ、ボランティア活動などを実施している。

今後も、青少年が村民の一員としての責任と役割を自覚し、積極的に社会参加ができるような事業の計画を数多く取り入れることにしている。

このような村民一丸による事業を通して、青少年の健全育成と生徒指導の充実を図るとともに、明るく将来性のある村づくりに努めている。

 

地域の特性を生かした学校教育

−檜枝岐村立檜枝岐中学校−

 

檜枝岐中学校は南会津の南西、海抜約九百四十メートルの高地にあり、生徒数二十二名、教職員九名の小規模校である。

地域や学校の特性を生かした教育活動や学習指導の工夫を行い、一人一人の個性・能力の伸長に努めている。

学習指導では、生徒一人一人の実態を的確に把握し、授業を通して個別指導の充実、強化を図り、中でも基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学ぼうとする意欲を高める工夫をしている。

地域の特性を生かした活動として、檜枝岐歌舞伎と裁ちそば作りを取り上げている。歌舞伎は二百年以上も続いた伝統芸能である。今年度は、本校の伝統となっている「三番◆」を更に充実、発展させるため、講師の指導だけではなく、文献研究、ビデオ研究なども取り入れ実践している。歌舞伎の発声や振りの練習を通して、表現力や発表力が高まるとともに、地域の行事等にも関心を持つなど効果が表れている。

また、檜枝岐の名産であり、伝統食であるそばを実体験学習に取り入れ、そばの植栽から「裁ちそば」までを計画し、鍬や鎌を使った経験のない現代の子どもに、実際に畑を耕し、種を蒔く一連の作業を通して、先人の苦労や知恵に触れさせる活動を進めている。

更に、スキーの有資格者(本指、準指、一級)が、村民六百余名のうち約四十名という恵まれた条件を生かし、スキー教室を年間十二回実施している村技であるスキーの伝統を守り、発表させることを通して、生徒の可能性を伸ばすよう、地域に根、ざした学校教育の充実を図っている。

 

歌舞伎 三番◆を舞う檜枝岐中の生徒

歌舞伎 三番◆を舞う檜枝岐中の生徒

 

個を伸ばすパソコン教育

−只見町立只見中学校−

 

只見町内の三つの中学校に、昨年十月それぞれパソコン十六台が導入された。只見中学校では、授業での活用はもちろん、昼休みや放課後も自由にパソコン室を生徒に開放している。

説明書に従ってキーボードをたたき、プログラムを組み、ゲームをする者など、さまざまな使い方をする生徒たちでいっぱいである。特に、カラーで描かれた画面が動く現象や音楽の流れる様子に、生徒は何とも言いようのない満足感を覚えている。

先生方も操作法を身につけるために、夏季休業中に講習会を実施した。更に、研究授業では、学習ソフトをどのように活用すれば学習効果が期待できるかを取り上げ研究を進めている。

現在の学習ソフトはドリル形式であり、小単元終了後に基礎・基本の定着を図ることに活用されている。物珍しさも手伝ってか、生徒は熱心に問題に取り組んでいる。今後、ドリル型ソフトだけでなく、シュミレーション型のソフトも取り入れ、生徒の思考力を深める活用の工夫に努めたい。

パソコンクラブでは、キーボード操作、フォー・マットなど、必要最少限のことを指導し、その後は、各自に、パソコンに慣れ、親しみを持たせるため、難しいことを避け、簡単な操作を数多く体験させている。

現在、パソコン教育の充実を図るために、生徒一人一人の個性や能力に応じた活用法を工夫し、個を伸ばすパソコン教育に全職員一丸となって取り組み中である。

 

生き生きとしたまなざし……楽しいパソコン

生き生きとしたまなざし……楽しいパソコン

 

 

 


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