教育福島0142号(1989年(H01)10月)-041page

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2、砂遊び

3、土と遊ぶ(理料との合科)

4、土粘土で遊ぼう

・粘土で好きなものを作ろう

・トンネルの顔

・粘土の連想ゲーム

・乗ってみたい乗り物

5、おいしそうな秋の野菜や果物

6、一番自分らしい顔

(二)授業実践のようす

一番自分らしい顔(四時間)

○本時の目標

表情のある自分の顔を、基礎的な技法を使って粘土で立体的に作ることができる。

 

図1 一番自分らしい顔(スケッチと短文)

図2 表現力の推移自分の顔(イメージによる描写)

図2 表現力の推移自分の顔(イメージによる描写)

資料2 指 導 過 程

資料2 指 導 過 程

○指導の過程(資料2参照)

○指導の過程(資料2参照)

 

七、研究の結果と考察

(一) 絵日記の指導を一年の時から毎日継続してきたので、日常生活の中から自分が表現したいものや出来事を切り取って描写できるようになった。

(二) 理科との合科や創意の時間を効果的に利用して指導したので、体全体で土や粘土に取り組むことができた。

(三)粘土、彫塑の基礎・基本となる技法を明らかにし、学年の発達段階に応じた系統表を実験的に作成した(資料1参照)。図工科本来の目標である豊かな創造性を育むことを大前提としながらも図工科で教えるべきこと、発見させ育てることもある程度明確にすべきである。

(四) 実態調査、話し合い活動、アイデアスケッチ、短作文などにより表現の意図、願いをしっかり持たせてから表現させたので子どもたちの願い(主題)がはっきりした作品ができた(冒頭の写真参照)。これは、立体・彫塑の特性である心象性を育てることにつながった。

 

八、研究のまとめと今後の課題

十の題材で研究の目標に迫るために実践を積み重ねてきた。その中で具体的な技術や技法の基礎・基本を明らかにするために一つの試案を作った。発達段階に応じた技術・技法の系統表は、抽象的なものではなく、すぐに授業に生かせるものである。技術や技法を教え込むのではなく、発見させ、育てるという観点で指導過程を作って指導した結果、どの子も以前より表現力が高まってきた。しかし、この系統表もまだまだ理論研究の必要があるし、指導過程の中で十分に生かしているとは言えない。実践を重ね、より適切なものにしていきたい。

 

 

 


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