教育福島0143号(1989年(H01)11月)-008page

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特集1

 

学校におけるコンピュータ等の教育的利用

義務教育課・高等学校教育課

 

解説

小・中学校

義務教育課

 

近年の著しい科学技術の進歩と経済の発展は、情報化・国際化等様々な社会の変化を生み、特にコンピュータは学問研究や産業の各分野のみならず、日常生活に至るまで様々な場面で、その応用、活用が進み社会の情報化を急速に進展させている。

このような社会の変化に主体的に対応できる能力を育成するため、情報化に対応した内容を含んだ新学習指導要領が今年三月に告示された。

それによると、それぞれの学校段階に応じて情報化への対応が図られているが、小学校では、コンピュータに慣れ親しませることを基本とし、教科の指導において指導の効果を高める観点からの利用やクラブ活動での利用などが考えられるとしている。この場合、各学年の発達段階を考えたり、一人一人の個人差を十分考えたりして、コンピュータ等の主体的な活用能力を身に付けさせるよう配慮する必要がある。

中学校では、技術・家庭科の中に、新領域として「情報基礎」を設け、コンピュータの操作等を通して、その役割と機能について理解させ、数学、理科等で資料活用の検索・習熟度に応じた学習等に活用を図るよう示されている。

これらを受けて、県教育委員会は、平成元年度の重点施策の中に情報処理教育の拡充を掲げ、「学校におけるコンピュータ等の教育的利用基本計画」に基づき、児童生徒の発達段階に応じた情報処理教育の充実に努めているところである。

しかし、その推進には、機器の配備、指導できる教員の養成、ソフトウェア.の開発と整備等の様々な課題がある。

本県のコンピュータの設置率は、小学校十六・三パーセント、中学校三十四・八パーセント(平成元年九月二十日現在)であり、まだまだ低い。指導できる教員の数も少なく、自作ソフトの開発もこれからという現状である。

このような状況ではあるが、指導できる教員の養成については、平成二年度より各教育事務所管内において、その指導力の向上を図るため、小学校の教員、中学校の数学、理科の教員を対象に「情報処理教育地域研修」の実施を計画し、その実現に向けて努力しているところである。

コンピュータの教育的利用に積極的に取り組み、研究推進している学校は、まだ少ないが、福島市立第四小学校は、市の指定を受け、意欲的に研究推進している学校である。この実践例を参考とし、これからの情報処理教育に積極的に取り組むことが期待される。

 

実践

 

小学校教育における

コンピュータの効果的な活用

福島市立福島第四小学校

 

一、研究のねらい

来たるべき情報化社会を生きぬく子どもを育成するためには、子ども一人一人に、様々な情報や情報手段を主体的に選択し、活用できる能力を身に付けさせることが必要である。

そこで、コンピュータに慣れ親しませるとともに、本校教育がめざす、人間性豊かで、強い意志力と自立心に満ちた「自ら求める子ども」の具現を図るために、小学校教育におけるコンピュータの効果的な活用を工夫するものである。

 

二、研究の見通し

1)コンピュータを問題解決の方法・手段のひとつとして学習活動の中に位置づけ、その特性を踏まえた活用を工夫することによって、「学習速度の違い」「興味や関心の違い」「学習スタイルの違い」などに対応した学習活動、つまり子ども一人一人に応える学習活動の場を構成することができるものと思われる。

2)児童会活動やクラブ活動、学級会活動、或は創意の時間などにコンピュータを積極的に取り入れることに

 

 

 


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