教育福島0143号(1989年(H01)11月)-010page
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童の関心は他の作物の自給率へと向っていった。
児童の関心に応じた作物の自給率をグラフ化することによって、より主体的に追究活動が可能となった。また、ねらいにそったグラフの種類の選択も比較的スムーズに行われ、資料活用能力を高めることになった。
社会科では、課題解決のために必要とする資料は、多岐多様にわたる。コンピュータを用いることで、多くの資料を提示することが可能となり、児童の働きかけに応えることができた。更に、その資料の読み取り方を明示することによって、社会科としての「学び方」を学ばせることができる。
また、コンピュータを用いることによって、短時間のうちに数値をグラフ化でき、その傾向をより具体的に把握することができた。
3)理科における活用
理科学習の本質は、具体的操作活動を通した直接経験にある。このことを踏まえ、「結果の処理としての活用」
「情報源としての活用」「評価としての活用」などを工夫している。
【実践例3】「太陽の高さと気温」
六年
◎ねらい
観測したデータをグラフ化し、「太陽の高さ」「気温」「地温」の関係や、空気の温まり方について推論する。
◎コンピュータの位置づけ
ア.観測データの入力
前日にグループ毎に観測した一時間おきの太陽の高さ、気温、地温のデータを入力する。
イ.データの解釈と推論
入力したデータを学習のめあてに応じてグラフ化する。
グラフ化された観測データを、これまでの追究の経過や、学習のめあてにそって解釈し、太陽の高さ、気温、地温の関係を推論する。
◎児童の変容
観測データをとることはできても、それをねらいに応じて構成するのはむずかしい。コンピュータを用いることによって、自分たちの観測データをグラフ化できたことや、学習課題に対して自分なりの結論を下すことができたという経験は、子どもたちにとって大きな喜びであった。
コンピュータを用いることで、実験や観察によって得られたデータを素早く、しかも正確に表やグラフに表すことが可能となり、それをもとに適切な考察ができる。その結果、グループ毎にデータを処理し、他のグループのものと比較するなど、意欲的な取り組みが見られた。
こうした活動は、授業の効率化という意味からも、データ処理能力の育成という意味からも大切である。
以上の実践例は二人に一台、或はグループで一台のコンピュータ活用形態であるが、一台のコンピュータを教室に持ち込み、OHPの画面に拡大投影して用いることも効果的である。
また、これらの教科以外に、体育や音楽においてもコンピュータを活用した授業が行われている。
(2)コンピュータリテラシーの育成
1)ロゴ学習
小学校におけるコンピュータ教育は、コンピュータに慣れ親しむということがねらいである。そこで、ロゴ学習を年間十二時間程度、「創意の時間」を用いて実施している。(一年生は除く)
ロゴ学習は、児童自身が画面の「カメ」にひらがなで命令を与えるだけで線が描け、図形が描ける。更に簡単な命令を組み合わせることによって、自分だけの命令を増やし、その子だけの創造の世界を広げていくことができる。
【実践例4】「空想の世界をえがこう」
四年
◎ねらい 十二時間の活動内容をステップ1とステップ2に分け、ステップ1では簡単な絵を描くための基本操作や基本命令を理解させ、ステップ2では命令を組み合わせながら、プログラムを構成し、夢の国や未来の都市などを描く活動へ発展させ、表現力や創造力を育成する。
また、キーボードを通して自由にひらがな入力ができるようにさせるとともに、キーの主な機能を理解させる。
◎主な活動
・起動と終了、文字入力方法を知る
・線を引いて図形を描く
・図形に色をぬる
・線や図形を組み合わせて絵を描く
・命令を組み合わせ、プログラムをつくる(資料「ステップ1」参照)
◎児童の変容
操作に熱中する姿、「動いた、動いた」という歓声、「もっとやりたい」という感想、どれもロゴに対する積極的な子どもの姿である。コンピュータに働きかけ、コンピュータとの対話を通して、一人一人が創造の世界を広げ、それを自由に表現することができた。
教科の活動ではなかなか見られない子どもたちの姿があったと言える。
2)音楽的な活動
BASIC言語を用いた六年生の創
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コンピュータで楽しく学習する子どもたち
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