教育福島0143号(1989年(H01)11月)-039page

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教育・ひと口メモ

 

教職員の成人病予防について

−保健体育課−

 

教職員が健康の保持増進に努めることは、学校教育を円滑に進めるうえで重要なことです。

このことから、学校保健法では、学校の設置者は、毎年定期に教職員の健康診断を実施することと定めています。

 

◆学校保健法で定めている教職員の健康診断の検査項目

1)身長・体重・視力・色覚・聴力(除くことができる。)

2)結核の有無

3)血圧・尿(三十五歳未満については除くことができる。)

4)胃の疾病・異常の有無(四十歳未満、妊娠中の女子については除くことができる。)

5)その他の疾病・異常の有無

 

◆教職員の成人病検診

近年、成人病が増加の傾向にあることから、教職員の健康診断の充実を図るため、学校保健法で定める検査項目のほかに、心電図、血液、眼底等の検査項目を加え、成人病検診として実施しております。

 

◆成人病の予防のために

成人病の予防には、大別すると次の三つがあげられます。

1)日常生活における適度の運動

2)食生活の改善

3)ストレスの解消

〈日常生活における望ましい運動量〉

健康を維持するためには、男性であれば一日三百キロカロリー、女性であれば二百キロカロリーを運動によって消費するのが理想的です。

成人が百キロカロリーを消費する運動量の目安は、表のとおりです。

〈食生活改善の十のチェックポイント〉

1)太りすぎないように食べているか。食べすぎ、飲みすぎには注意し、腹八分目を守ることです。

2)動物生脂肪の摂取を控え、植物油をとるようにしているか。動物生脂肪は血中のコレステロールを増加させますが、植物油は血中のコレステロールを低下させる働きがあります。

3)コレステロールをとりすぎないようにしているか。

コレステロールを多く含んだ食品は、レバー、バター、卵黄、魚卵などです。これらの食品ばかりを好んで食べる人は、要注意です。

4)肉や魚は過不足なくとっているか。動物生脂肪やコレステロールを避けるあまり、肉を極端に警戒する人がいますが、脂肪の少ない鶏ささみや牛、豚のヒレを使った食べ物は安心です。

5)野菜、海草、果物は十分にとっているか。

これらはビタミンやミネラルの重要な供給源です。ただし、果物はとりすぎると血中の中性脂肪を増やし、肥満の原因になります。

6)食物繊維を十分にとっているか。

食物繊維はコレステロールや胆汁酸の吸収を防ぎ、動脈硬化や大腸がんを予防したりする働きがあります。

7)塩分のとりすぎを防ぐため、薄味に慣れるようにしているか。

塩分のとりすぎは血圧を高め、高血圧は動脈硬化を促進します。

8)砂糖をとりすぎないようにしているか。

砂糖のとりすぎは血中の中性脂肪を増やし、動脈硬化を進めます。特に、菓子類や清涼飲料のとり方に注意が必要です。

9)アルコールは控え目にしているか。

酒の飲みすぎは砂糖と同様に血中に中性脂肪を増やし、肥満を招きます。少量のアルコールはむしろ善玉コレステロールを増やすといわれていますが、日本酒なら一合、ビールなら大瓶一本、ウィスキーならダブル一杯までが限界です。

10)家族そろって楽しい雰囲気で食べているか。

一人だけの食事は料理の品数も少なくなりがちです。家族が一緒であれば主食、副食がそろい、結果的にバランスのとれた食事になるものです。

〈ゆとりを心掛けたストレスの解消を〉

ストレスを解消するには、スポーツ、趣味、小旅行などで気分転換を図り、また、友人や家族と楽しく食事をすることが一番です。たばこは控え目にし、ゆっくり入浴するなどリラックスすることに心掛けることです。

 

参考文献

「わが家の健診読本」

東京法規出版

 

●100キロカロリーを消費する目安

(厚生省「日本人の栄養所要量」から)

 

 

 

 


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