教育福島0143号(1989年(H01)11月)-041page
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によって進められた。
ウ 会津冬まつり雪像づくりは、生徒会役員が中心となり各部に呼びかけて、雪灯ろう八基を完成させた。
エ 剣舞奉納は、春と秋、剣舞委員会により、従来は飯盛山墓前において剣舞を奉納するだけであったが、本学習を導入してからは前日に墓地周辺の清掃活動も実施するようになり、更に修学旅行時には京都に眠る会津藩士墓前でも剣舞を奉納している。
オ 献血・募金等も係の生徒が中心となり実施した。
これらの活動が生徒の手によって企画、実施されたので「自分たちで行った」という満足感を得させることができた。清掃奉仕活動が新聞で報道され、ボランティア活動として協力した献血には県赤十字血液センターから感謝状が贈られた。一方地域行事である会津冬まつりに参加し、作製した雪灯ろうが一般の部で三位に入賞したり、剣舞奉納の勇姿がテレビや新聞で報道されるなど、諸活動が社会的にも評価された。これらのことは、生徒たちの体験学習が社会に貢献できたという喜びや感動を大きくし、社会的な連帯感や奉仕の精神を育成するとともに意欲をさらに喚起することができた。
3 自己理解の深化と職業観の育成について
(1)休業中における手伝いの奨励
勤労・生産の直接体験を通して自己の能力適性等について理解を深めるため、休業等にはできるだけ親の手伝いを奨励実践させた。「毎日無意識に見ていた親の仕事を実際に体験して、大変な仕事だと気づくとともに体力や精神力の面で根気がないことがわかり、体験を通して自己理解を深めることができた。」(感想文より)
(2)職業観と勤労観の深化
啓発的体験として工場見学を実施した。働く人々の現場や真剣な姿を見て職業に対する考え方の甘さ等に気づかせることができた。
四 勤労体験学習の教育的効果と今後の展望
1 本学習がどのような教育効果をもたらしたか。
(1) 清掃習慣の育成に役立った。
(2) 学習環境の整備に役立った。
二年間の勤労体験学習で校舎内外がきれいになると同時に係職員と生徒が育てたサルビヤ、マリーゴールド、ベコニア等の草花が教室、前庭、玄関前に置かれ、生徒の心にうるおいを与えるとともに豊かな心と活力を育むことができた。プランターによる草花栽培活動は、学習環境の整備と植物を育てる心の育成に大いに役立ったと評価できる。
(3) 生徒理解に役立った。
授業ではわからない各生徒の個性や側面などの理解ができた。毎日の放課後、清掃分担区域で生徒と一緒に作業をしながら授業を離れた立場で会話ができたことは、生徒理解に大きな効果をもたらした。
2 今後の課題
(1) 実践の定着を図るための課題
勤労体験学習を通して、ここまで変容してきた生徒の積極的な姿勢、そして美しく整備された学習環境を、これからの毎日の学校生活の中に定着させていくための留意点をあげてみると、
ア 教職員の取組みを長続きさせるために、今まで実施してきたものを改善する方針で考えていく。
イ 生徒の積極的自主的参加を促していく。
ウ 全職員の共通理解を図りながら全員で取り組んでいく。
エ 活動組織と校務分掌を検討し合理的有機的に活動できるよう配慮する。
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生徒が自主的に進めた「老人ホーム訪問」
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生徒の感想文
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生徒理解の一助となった体験学習
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