教育福島0143号(1989年(H01)11月)-042page

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(2) 今後の課題

この研究実践のねらいは、勤労体験を通して自主的・主体的な判断力と行動力を養う点にあった。これらは生徒が社会に出て活躍するまで是非とも身につけさせたいことである。更に自分が将来選ぼうとする職業にもかかわりをもつ重要なものである。今回の研究においては、職業観の育成までは十分な実践ができなかったが、様々な実践の中で、変容を見せてきた生徒の可能性を一層伸ばす努力を続けたい。

 

男女が共に学ぶ

「家庭一般」の指導内容と指導方法の工夫と改善

−県立猪苗代高等学校−

 

一、はじめに

 

本校では昭和五十七年から一年生に男女が共に学ぶ「家庭一般」一二単位)の授業を取り入れてきた。この度、文部省の研究指定を受け、1)生徒や地域の実態に即した指導内容と指導方法の工夫と改善、2)中学校と高校との関連、3)他教科との関連、の三点を主眼として研究に取り組んだ。

 

二、研究の計画

 

1 研究の目標

(1) 男女の別なく自立した人間として家庭生活を合理的・科学的に運営する知識、技術を習得させる。

(2) 将来の家庭経営者として積極的に家庭生活を工夫・改善し、幸福を追求する態度を養う。

2 研究の内容

(1) 実態把握のために、生徒・保護者を対象としたアンケートによる意識

調査の実施

(2) 指導内容と他教科・中学校の既習内容との関連、昭和五十七年度からの指導実践と反省等による指導内容の精選・充実と年間指導計画の作成

(3) 授業研究の継続的実践による指導方法の工夫と改善

(4) 生徒の変容についての調査と考察

(5) 反省と今後の課題

 

三、研究の内容

 

1 生徒と保護者の意識調査

(1) 「家庭一般」に対する生徒の意識

男子が「家庭一般」を学ぶことについて、「男子にも必要」と答えたのは、男子よりも女子の方が圧倒的に多い。「家庭一般」で学びたい内容は、男女共「調理実習」がトップで、以下「住居」、「食物」と続く。「被服」、「保育」については、男子の関心が低く、男女差がある。

(2) 「家庭科」に対する保護者の意識家庭科学習については、「男女共学んだほうがよい」の声が圧倒的に多く、その主な理由として、「家庭生活は男女協力のもとに成立する」をあげており、保護者の関心も高い。

2 「家庭一般」と他教科との関連

(資料1参照)

3 昭和六十三年度年間指導計画

(資料2参照)

4 公開授業

公開授業を五回実施し、その実践と考察・評価を行った。公開授業の単元は次のとおりである。

・「母性の健康・乳幼児の保育」

(家族計画)

・「調理実習」一グラタン他三種)

・「家庭生活の設計・家族」(家族と家族構成の変化)

・「食生活の設計」(食品摂取の目安)

・「衣生活の設計」(呈色反応による汚れの検出)

 

四、研究発表会

 

昭和六十三年十月三十一日、県内外から総数百二十名一うち校長十四名、男子教員十六名)の参加を得て、本校五十嵐順子教諭による公開授業「衣生活の設計」(呈色反応による汚れの検出)を体育館利用のオープンスペースで行い、研究の成果を発表した。

五、研究の成果

学習前と後のアンケートの比較、学

 

研究発表会での公開授業風景

研究発表会での公開授業風景

 

資料1 「家庭一般」の指導内容と他教科との関連

 

 

 

 


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