教育福島0143号(1989年(H01)11月)-043page
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習後の意見・感想文をもとに生徒の変容について検討、考察した。
1 生徒の変容
(1)アンケートの結果
・「家庭一般」を学習し興味を持てた内容は、男女共「調理実習」がトップで、学びたい内容と一致する。「自分にも料理が作れた」という成就感が味わえたからであろう。
・「家庭一般」を学んでの男子の感想は、「男子にも必要」が二倍に増え、「いやだけど授業だから仕方がなかった」が約二分の一に減った。女子の感想は、「男子にも必要」が少し減ったものの、「おもしろかった」が四十ニパーセントもいて、男子が一緒だったことがよい刺激になったと考えられる。
・人生の目標で「お金をためる」と回答したのは約二十三パーセントで、昨年の一年生と比べて約二倍に増えた。これは、高齢化社会の問題やクレジットなどを取りあげた授業の影響によることも考えられる。
(2) 生徒の意見・感想
・僕は男だから「家庭」の授業なんてと思っていたけれども、違う面から見た社会の姿や事情などが新鮮だった。
・最初のころは家庭科なんて女がやってりゃいいと思ったけど、授業を受けるうちに大人になって役立っこと、家庭のことや社会に出ると厳しいこともわかり、学んでよかった。
・授業内容は楽しかった。これからも男女共学の「家庭」の授業を続けてほしい。男女一緒だとお互いにいい。
2 研究の成果
(1) 従来の「家庭科」は、「料理・裁縫」というイメージが強かったが、実際の授業を通して「家庭科」本来のねらいに即し、広く家庭生活を見つめる態度や、男女の家庭へのかかわり方について理解を深めさせることができた。
(2) 実験実習などの体験的学習は知識
・技術の定着、興味・関心や学習意欲の向上の点で効果があり、男子も興味を示し積極的に参加した。
(3) 男女混合班による調理実習等の体験を通して、日常のホームルーム活動や部活動における男女の協力体制が一層強まってきた。
(4) 諸調査や授業研究を通し、全校職員の「家庭一般」男女共学に対する認識が深まった。
なお、今後の課題として、男子は「家庭一般」二単位履修のため、生徒の家庭生活および地域の実態を考慮しながら、指導内容の精選と授業展開の工夫を図っているが、男女共に学ばせたい内容が多いので男子にも四単位履修を含めた指導計画の検討を進めたい。
六、おわりに
今回の研究によって、生徒たちが「家庭一般」男女共学の意義を理解し、学習意欲を高めるとともに、自らの家庭生活を見つめ直し、今後の生活への自覚を持つようになったことが大きな成果であり、更に指導の工夫・改善に努めたい。
資料2 昭和63年度年間指導計画)
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