教育福島0144号(1990年(H02)01月)-013page

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をいくつか取って並べる場合の順列に抵抗があるようである。

4) 各群の有効度指数から

ア、上位群は、問題六で有効度指数88、他の問題で100というかなり高い値を示している。

イ、中位群では、問題六・九で有効度指数が70台で、他の問題では、83〜100と高い値を示している。

ウ、下位群では、問題三・四・五・六で有効度指数20〜45と低いが、他の問題については、上・中位群と大きな差がない。

5) 上・中位群の児童については、変容が十分みられ、期待する結果が得られたと思われる。

6) 下位群の児童のつまずきは、0を含む数字の順列と二種類のものの順列である。下位群の児童には順列の場合の数に抵抗がみられた。

7) 形成的評価の結果から、つまずきを解消するための指導を行ってきたが、下位群の児童には、更に継続して指導する必要がある。

(五) 到達目標基準と事後テストの相関(資料5)

1) 中位群の児童で、事後テストにおいて到達度肝段階に到達した十名、また、下位群の児童で、到達度A段階に到達した五名については、指導の効果があったと思われる。

2) 中位群の児童で、到達度B段階の二名については、あまり指導の効果がみられなかった。

3) 到達度C段階の二名に対しては、つまずきの分析とていねいな個別指導を継続していきたい。

(六) 事後テストと把持テストの相関(省略)

(七) 自己評価の変容(省略)

(八) 意識調査の結果(資料6)

1) いずれの項目も事前調査に比べ事役調査での「+変容」が多くみられる。

2) 上位群では「一変容」がみられない。

3) 中位群では、項目2で「一変容が目立つ。これは、発展問題の結果に左右されていると思われる。

4) 下位群では「+変容」が項目1・3で目立つことから、授業に対する意識の変容が認められる。

5) 以上のことから、学習プリントによる個に応じた学習の進め方が、児童の学習意欲を向上させるのに効果があったものと思われる。

 

七 結論

(一) 一人一人の到達状況に応じた学習を進めさせるために、学習プリントを活用したことは、諸結果からみて上位群・中位群の児童には、十分効果があったと思われる。

(二) 下位群の児童については、必ずしも効果があったとは言えない。深化発展問題で下位群に期待する結果が得られなかったのは、つまずきに応じた補充指導が十分でなかったためと思われる。

(三) 学習プリントによって段階的に問題に取り組ませたことは、児童自らが進んで問題を解決しようとする学習意欲の向上にもつながり効果がみられた。

 

八 反省と問題点

(一) 上位群、中位群の児童については、学習内容の理解、学力の定着、学習意欲の向上等に十分な効果がみられた。しかし、下位群の児童については、学習意欲の向上はみられたものの、学力の定着に期待したほどの効果がみられなかった。この実践で好ましい方向への変容がみられなかった児童については、今後指導を継続していき、確かな学力の定着を図っていきたい。

(二) 一斉指導の中で個に応じた指導の在り方として、目標分析−形成的評価−補充・深化指導は欠かすことのできない一サイクルの重要な要素であることが確認できた。今後は、個々に確かな学力を定着させるための形成的評価を生かした指導の在り方について、さらに研究を進めていきたい。

 

資料5 到達目標基準・事後テストの相関

資料6

 

資料6

算数の学習に対する意識調査の結果(事前6月、事後11月)

 

 

 

 


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