教育福島0144号(1990年(H02)01月)-014page
特選入賞論文
生徒一人ひとりが生き生きとして自ら意欲的に取り組む授業をめざして
石川町立石川中学校 教諭 佐藤俊久
一、研究主題設定の理由
理科の学習の目標は、生徒一人ひとりが自然を見つめ、その自然からいろいろな問題を自分で見つけ解決していくことができることである。また授業は、生徒が主体的に取り組みその活動を教師が助けるという形を取ることが望ましい。更に『自ら学ぶ力を育て』『基礎的・基本的な内容の定着』を図ることは、これからの授業でより一層充実させていかなければならないことである。
そこで、この考え方に立って、まず生徒が学習に取り組む際、常に何らかの疑問を持って学習に取り組むように動機付けを工夫する。次にその疑問を一つ一つ自分たちの手で解決できる学習が展開できれば、生徒は理科に対して意欲を持つとともに、基礎的・基本的な内容が定着し、自ら進んで意欲的に学習に取り組むのではないかと考え、この主題を設定した。
二、研究仮説
授業の導入時に、生徒の意欲を喚起できるような資料を提示し、生徒に疑問を持たせその疑問を生徒自ら解決していくような場面を多く取り入れた授業を展開すれば、生徒は生き生きとして意欲的に授業に取り組むであろう。
三、研究の視点
研究仮説を解決するために次のような視点を考えた。
(一) 単元の導入時に生徒に意欲を持たせるような『動機付け』を工夫する。
1) 生徒が疑問を持つような資料及び提示の工夫。
(二) 生徒に課題構成を行わせ生徒が目標を持つような指導計画作りを行う。
1) 疑問を解決する方法や順序を生徒自身に考えさせる。
2) 課題を解決する方法を自分で見つけさせる。
(三) 生徒の知識・理解の定着と自然に対する理解を深める評価の在り方を工夫する。
1) 基礎的・基本的事項を身に付けさせるための指導過程を工夫する。
2) 自然の事物・現象に対する理解を測定するための評価を工夫する。
四、研究計画(省略)
五、経過と考察
(一) 研究の視点にそった実践
(1) 単元の導入時に生徒に意欲を持たせるような『動機付け』を工夫する。
1) 生徒が疑問を持つような資料及び提示の工夫。
[第二回検証授業(天気の変化)における実践から]
この単元では、単元の始めに生徒が普段見慣れている天気図を示し、天気予報をさせることから入った。
実際、天気予報を試みると、その記
図1 天気の変化の指導計画 (総時数21時間)