教育福島0144号(1990年(H02)01月)-019page
2) 研究の進め方〜省略〜
(三) 研究の基盤
1 教育目標
本校では、人間性豊かな子ども、及び強い意志力と自立的な精神に満ちた『自ら求める子ども』をめざし、次の四つの児童像を掲げ、その具現に努力している。
○ 思いやりのある子ども
○ すすんで勉強する子ども
○ 元気でたくましい子ども
○ 最後までがんばる子ども
この目標を達成するために、自立性、自発性、自主性の調和と、厳しさに耐える強い意志力と自制心を持った児童を育成することを学校経営の基調としている。
とりわけ、学習指導においては、児童一人一人がやりがいを持ち、自らの力で課題を解決する喜びを味わいながら学習に取り組めるようにすることを第一の基本方針に実践を行っている。
2 学ぶ喜びを感得させる授業の創造
「学ぶ喜び」とは、「子ども自身が、学習内容や方法について、満足感や成就感、成功感を感得すること、そして学習内容や方法についての価値を発見することによって「心の満足」を得ること』ととらえている。
学習活動は、それ自体が楽しいもの.面白いものであることは大切なことである。それ以上に学習活動に対する満足や成就感、成功感を得ることが大切だと考えている。学習した時には感じなくとも、後の学習において、その学習内容や方法が有効に作用したという自覚や、自分の力で立ち向かいより幅の広い見方や考え方ができるようになったという自覚などは、まさに「心の満足」を得ることができた状態である。
人間には、様々な欲求があり、それらが発達段階に応じ、適切に満たされることによって心豊かな人間に成長すると言われる。とりわけ「自己実現の欲求」は、自ら学び、追究し、自己を生き生きと表現する欲求であるだけに、「学ぶ喜び」の基盤として、本校教育がめざす「自ら求める子ども」の具現のために、特に大切にしなければならない。
ロボットの拡大・縮小
二 研究の実際
(一) 学習指導における活用
子どもの知的発達は、子ども自身の積極的な「外界への働きかけや活動」によって成立するといわれる。操作活動や表現活動などの、外界に対する働きかけや活動によって、子どもは思考を巡らし、更にそれをもとにして働きかけや活動をすることになる。この繰り返しによって、子どもの認識がより確かなものとして形成されるのである。
こうした考えのもとに、働きかけの対象をコンピュータに置き換え、子ども自身の積極的な働きかけを通して、子どもの望ましい知的変容を図ることを、学習指導におけるコンピュータの活用の基本的な考え方としている。
学習指導におけるコンピュータの活用については、コンピュータの特性と教科の特質を踏まえ、「算数」「社会」「理科」の三教科を中心に、次の点に配慮しながら実践的に研究を進めた。
・授業の本質と教科の本質を踏まえる。
・児童の思考の流れや発達の特性を踏まえる。
・コンピュータの特性を踏まえる。
1 算数科における活用
a 問題提示
シミュレーション機能を活用することによって、連続して変化する量の提示など、具体物では困難なものの提示が可能となる。これによって、児童の興味や関心を喚起し、追究の場面など
資料1 第6学年「拡大図と縮図」