教育福島0144号(1990年(H02)01月)-020page
において児童の多様な発想を促すことができた。
b 問題解決の方法・手段
問題解決の見通しにそって、シミュレーションやグラフィック、検索、データの処理などのコンピュータの機能を生かした操作活動の場を構成することが、一人一人の発想に応えることに結び付いた。一資料1「実践例1」)
2 社会科における活用
a 資料の検索
課題解決のために児童が必要とする資料は、多岐多様にわたる。コンピュータを用いることで、そうした多くの資料を提示することが可能となり、児童の働きかけに応えることができる。更に、その資料の読み取り方を明示することによって、社会科としての「学び方」を学ばせることができ、関連する資料をつなぎ、児童の働きかけに応じて発展的な追究活動へと導くこともできた。 「実践例2」
b 資料の再構成(数処理)
数値は、グラフ化することによって、その傾向をより具体的に把握することが可能になる。コンピュータを用いることによって短時間のうちに生の資料をグラフ化することができる。児童の興味や関心をひきながら、追究活動させることが可能であった。
【実践例2】「徳川家光と江戸幕府」6年
◎ねらい
家光は、江戸幕府の支配体制を強固なものにするために、農民を厳しく統制したことをとらえる。◎コンピュータの位置付け
ア 資料の選択
追究の見通し(自分の予想)にそって、メニューや前時のコンピュータ学習をもとに必要な資料を選択する。
イ 資料の読み取りと考察
農民統制に関するそれぞれの資料には説明画面があり、HELPキーを押すことによって、その資料の読み取り方や考え方、関連する資料を見ることができる。
さらに詳しく調べるための発展資料も用意され、必要に応じて画面に呼び出すことができる。別の資料を参考にしたい場合には、メニューに戻って必要な資料を選び出すことになる。◎児童の変容
本事例は、「資料の検索」場面での活用である。子どもたちは、自分の追究の見通しにそって資料を選ぶことができるだけでなく、どの様な視点からこの資料を読み取り、どのようにまとめるかといった「学び方」も学ぶことができた。もっと詳しく調べたい子どもは、違う種類の資料を呼び出し、自分の追究の見通しに最も適した資料をもとに追究活動を展開することができた。
3 理科における活用 〜省略〜
(二)コンピュータリテラシーの育成
1 ロゴ学習
小学校におけるコンピュータ教育は、コンピュータに慣れ親しむということがねらいである。そこで、「ロゴ(LOGO)」学習を一年生を除いた全学 年において年間十二時間程度、創意の時間を用いて実施している。
ロゴ学習は、児童自身が画面の「カメ」にひらがなで命令を与えるだけで線が描け、図形が描ける。さらに簡単な命令を組み合わせることによって、自分だけの命令を増やすことができ、その子だけの創造の世界を広げていくことができる。児童にとって極めて興味のある活動である。(資料2「実践例3」)
2 音楽的な活動
コンピュータリテラシーの育成をねらいにした「音楽的な活動」は、六年生の活動としてBASIC言語を用いて行われた。
コンピュータに内蔵されているFM音源を利用し、打ち込んだメロディーを、プログラムの一部を変えることによって、様々な音色やテンポで演奏することができた。
ごく自然にキーボートに向かう子どもたちの姿には、コンピュータに対する抵抗はほとんど見られなかった。
3クラブ活動
それぞれの児童の興味や関心に応じた活動が展開され、簡単なプログラムなら、BASIC言語を用いて組むことができる子どもも出てきており、ゲームを作ったり、様々なグラフィック画面を構成したりして楽しんでいる。
資料2 第4学年「ロゴ(LOGO)の学習活動」