教育福島0144号(1990年(H02)01月)-051page

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のバランスを考え、後から取る人のことも考えて、自分が食べられる量だけ取る。

本校では「児童ひとりひとりが楽しいと感じる創意ある給食指導」をテーマに研究を進めてきた。その中で単に給食の時間の充実というだけでなく、学校生活全体の充実に結びつくものにするために、四つの柱一栄養に関する指導・マナーに関する指導・好ましい人間関係の育成に関する指導・適切な環境の設定)を立て、実践してきた。

当初は、・嫌いな食べ物があって食べられない、・グループで食べてもみんなと仲よくできず楽しくない、・マナーの悪い人がいて嫌な気分になるなど、いろいろな問題があったが、今ではそれらは改善され、楽しい給食の時間になっている。

今後は、楽しい給食とするための指導法を工夫し、思いやりの心を育て、児童の自発性や創造性を生かし、家庭との連携を図りながら、望ましい食習慣の形成に努力していきたい。

 

思いやりの心が育つ

JRC活動

浪江町立浪江小学校

 

「おばあさん、早く病気を治して、元気になってください。これは、私たちが心をこめて書いた手紙です」緊張した手でそっと差し出すプレゼントを、うれしそうに受け取るおばあさん。涙で言葉をつまらせてしまうおばあさん。児童が、近くの病院を訪問したときの一場面である。

「先生、人のためになる良いことをすると、心がピッカピカになるね」これは、.病院訪問に参加したある児童の帰り道でのつぶやきである。

児童が持参した手紙や折り紙は、決してすばらしいものではない。学級会で計画を立て、休み時間や放課後を利用して作った稚拙なものである。それが、なぜ、こんなに喜んでもらえるのだろうか。

本校は、昭和六十三年度と平成元年度の二か年、青少年赤十字(JRC)研究推進校として指定を受け、研究に取り組んできた。病院訪問は、その一例である。

実践活動は、児童会のJRC委員会が中心になり、各学年、各学級の協力のもとに進められた。主な活動としては、老人への暑中見舞いや年賀状、老人ホーム訪問、親善アルバムづくり(他校との交流)、各種募金活動、よい子ポスト,(善行奨励)、公共施設の清掃などがあげられる。

これらの活動を通して、児童は、相手を思いやる心や、社会のため人のために奉仕する喜び、一人一人の力は小さくとも協力すれば大きな力になることなどを体験できたようである。

 

プレゼントを手渡す児童たち

プレゼントを手渡す児童たち

 

村の誇り

統合中学校

飯舘村立飯舘中学校

 

「ここに飯舘中学校の開校を宣言します」

昭和六十三年四月六日、村長さんの声が新しい体育館に高らかに響いた。

飯舘村民十年来の悲願がこの日達成され、統合中学校としてスタートした。「、心豊かなたくましい人間」の育成を目指して、村当局の大きな配慮のもとに、五万平方メートルの広大な敷地に種々の特色ある施設・設備が設置されている。

主なものを挙げると、屋根付プール、。プレイコート、屋外ステージなどの施設、広いワークスペース、展示ホールや多目的ホールなどがある。木材を多用することにより、木肌を生かした柔らかさと温か味を醸し出す校舎になっている。中でも多目的ホールは二、三階吹き抜けの広いゆったりした造りで、生徒たちの学年・学級を越えた、触れ合いとやすらぎの場として活用され、人気ナンバーワンの施設となっている。読書活動時の図書館との併用をはじめ、創意の時間における班活動、生徒会の各種会議に使用されるほか、昼休みや放課後も生徒に開放し、活用を図っている。大きなガラステーブルの中段や上段には進路に関する資料や中学生新聞が備えてあり、生徒達は自由に閲覧し、談笑している。

立派な施設設備の整った学びやで、生徒の自主的活動を尊重し、よりよい人間、中味もしっかりした人間づくりをなお一層推進していきたい。

 

触れ合いとやすらぎの場 多目的ホール

触れ合いとやすらぎの場 多目的ホール

 

 

 


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