教育福島0145号(1990年(H02)02月)-039page
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表にまとめて到達の度合いを児童に知らせる。
(イ) 泳力の伸びを知らせる評価
「基礎・基本の発展」段階での記録伸ばしでとらえた泳力を、距離に応じて色別の線で一覧表に記入し、単位時間ごとの泳力の伸びを知らせる。
ウ、学習意欲をとらえる調査事前、事後の意識調査結果の比較
五、研究経過…略
六、研究の実際と成果
1、基礎的・基本的な技能の明確化
(1)水泳の特性
ア、一般的特性新訂水泳指導教本(大修館)及び新版現代学校体育大辞典(大修館)を参考に、次の点からとらえた。
○技能的特性 ○物理的特性
○心理的特性 ○生理的特性
イ、児童の側から見た特性(資料1水泳に関する事前調査の結果より)
(2)泳ぎの構造分析ア、浮く・泳ぐの基本的な考え方浮く・泳ぐとは、「浮く」+「進む」+「息継ぎ」の三つがそろって、運動として連続した状態であると考えた。
イ、基礎的・基本的な技能の分析(資料2)
2、指導計画・指導過程・指導法
(1)単元の指導計画(資料3)
(2)指導過程(資料4)
(3)実態に応じた指導法
ア、指導の基本方針
能力に応じた泳ぎを一つ身に付けさせ、それで距離を延ばしていく。イ、能力差に応じた指導の手立て
Aグループの児童は、大きく正確な動作で,長い距離を泳げるように指導した。Bグループの児童は、腕のかきと息継ぎの仕方に重点を置き、安定したリズムで、リラックスして泳げるように指導した。Cグループの児童は、水慣れが不十分で、水中で緊張し過ぎる傾向が強かった。そこで、水慣れから指導し、水中で脱力しながら沈み方・浮き方及び面を上げる時には必ず「パッ」と息を吐くことができるように指導した。
このように指導した結果、・児童の泳力を資料5のように伸ばすことができた。3、学習の仕方と評価の工夫
(1)水泳学習の仕方‥‥略
(2)学習意欲を高める評価の工夫
ア、基礎的・基本的な技能への到達を知らせる評価
児童はできるようになった技能や上達した技能を確認したり、友達と比べたりしながら、進んで練習に取り組んでいた。また、技能が「●」から「○」に変わったことが、児童の学習意欲を一層高めていた。
イ、泳力の伸びを知らせる評価児童は、自分の泳力の伸びを表をもとに確かめ、「○○泳ぎで距離を延ばしたい」などの新たなめあてを持つようになった。
(3)学習意欲がどう高まったか
「非常に好き」という児童の意識にはあまり変化が見られなかった。しかし、「好き」「普通」「あまり」という児童の意識は、授業の初めより高くなった。
七、今後の課題
1、能力別指導や個別指導を計画的に取り入れながら、水泳指導の複線化を図っていきたい。
2、技能への到達や泳力の伸びの他に態度の面からも学習意欲を高める方法を考えていきたい。
3、「浮く・泳ぐ」から「水泳」へと発展する段階における基礎的・基本的な技能を明らかにしていきたい。
資料3 単元の指導計画
一、基礎的・基本的な技能を身に付けさせる段階〔総時数14時間〕
(一) 水泳の心得や決まりを理解し、プールヘの入場から退場までの一連の動きを学習の仕方として理解する。………………(1)
(二) 沈み方、息の吐き方、浮き方、進み方、立ち方を理解し、練習する。………………………………………………………‥(6)
○ 沈んで息を叶いたり、浮いたりする。………………‥‥…1)
○ いろいろな浮き方、沈み方を練習する。…………………1)
○ 「浮き−沈み−立つ」の連続した動きを練習する。……2)
○ いろいろな息継ぎの仕方を理解し、練習する。………‥2)
二、初歩的な泳ぎを身に付けさせる段階
(三) 面かぶりクロールやクロール、初歩的な平泳ぎの練習をする。………………………………………………………………(4)
○ 補助具を使ったり、友達と仲良く教え合ったりして、面かぶりクロールやクロールの練習をする。………………2)
○ プールサイドや補助具を使って、かえる足の練習をしたり、初歩的な平泳ぎの練習をする。…………………2)
三、水泳へと発展させれ段階
(四)グループや個人のめあてを決め、クロールや平泳ぎの泳泳力を伸ばす練習をする。…………………………‥‥………(3)
○ 初歩的な飛び込みの練習をし、「飛び込み−水中での伸び−泳ぎ」ができるように練習する。…………………1)
○ 泳力別コースで自己の記録伸ばしに挑戦する。…………2)
資料4 指導過程
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資料5 児童の泳力の伸び
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