教育福島0146号(1990年(H02)04月)-008page
特集1
生涯学習社会への積極的対応
〜一人一人の心豊かな人生のために〜
−社会教育課−
『私にとって、この一年は本当に楽しいものでした。
日ごろ、何か自分で出来ることをやってみたい、聴いてみたい、見てみたいと思っておりましたので、一週の二日間の学習が待ち遠しいくらい張り合いがありました。
女性同士の良友もでき、その話し合いが嬉しくて、よけいその気になったのかもしれません。
家庭の事情で遅刻や欠席した事もありましたが、無理してでも出かけたことが、やはり今にして思えば生きがいの一つだったと思われます。
学習も広範囲にわたり専門的な内容でしたが、先生方が私たちによくわかるように平易に話してくださいました。これなら全部吸収できるし、すっかり頭に入ったような錯覚にとらわれました。
ところが大層わかったような、ちょっと利口になったような気分で帰りましても、悔しいかな二、三日過ぎると、その内容はあらかた忘却の彼方へ忘れ去り、記憶の限界をまざまざと思い知らされました。そして老化現象の言葉をかみしめては資料を読み直し、次の週になって気を取り直しては、張り切って出席するという事の繰り返しの一年でありました。
それでも学習の場があるということは「未知への憧れ」「未経験への挑戦」とでもいったら良いでしょうか、私にとってはこれからの限りある人生に向かっての、楽しい挑戦の場の様な気がしました。』
「長寿学園」の学習風景(古典臨書実技)
資料1 市町村における生涯学習推進組織の設置状況
(平成2年3月現在)
この感想文は、平成元年度に新規事業として実施した「長寿学園」(グレート・アカデミー)に参加された方のものです。
生涯学習時代にふさわしい、学ぶ喜びが感じられる内容であると思います。
この「長寿学園」は、県内、十会場で開設し、六十歳以上の方々、三百五十余名が学ばれました。
各学園とも年間、週二回のペースで学習が進められ、三百時間近くを消化し、広範囲な学習内容を修めました。
参加者からは大変有意義な事業だったとの評価を受けています。
近年、このように幾つになっても学