教育福島0146号(1990年(H02)04月)-020page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

「思いやり」に関わる指導内容を資料1にあるように重点化し、指導に当たってきた。

3) 道徳の時間の年間指導計画の改善

指導内容の重点化に伴い、配当時数を考慮し、発展性・段階性をもったねらいに改め、年間指導計画の改善に当たってきた。

 

(二)道徳的実践力を高める指導の充実

1) 指導過程の基本型

導入(ねらいとする価値への方向付け)、展開(前半 価値の追求把握、後半 価値の主体的自覚)、終末(意識の継続化)を基本型とし、自己を見つめることを重視した授業を実践してきた。

2)資料の効果的活用

資料については、分析の視点や手順にそって分析し、資料が含んでいる価値を明らかにするとともに、学年の発達段階や実態に即した効果的な提示と活用を図ってきた。

3)発問の工夫

より高められた価値観に気付かせるための中心発間の吟味や、自己を見つめさせるための発間の工夫をするとともに、意図的指名に努めてきた。

4)話し合いの活性化

学習形態の工夫や小グループでの話し合いなどを通して、子ども一人一人に自分の考えをもたせ、子ども同士の意見のやりとりによる話し合いの活性化に努めてきた。

5)価値の主体的自覚を図る手立て

自己を見つめさせる時間を十分確保し、自分の考えを文章に表現することによって、今までの自分を振り返るとともに、学習によって学んだことやこれからのめざす姿などの価値の主体的自覚を図ってきた。

 

(三)道徳的実践の指導の充実

1) 基本的生活習慣の定着

一日の生活プログラムを見直し、望ましい行動様式の定着を図るため、全職員の共通理解を得るとともに、家庭への呼びかけを行ってきた。

2) 異年齢集団活動

児童が互いに人間関係の幅を広げることをねらい、学年を越えた班を編成し、遊びの活動(みんなでゲーム等)から勤労生産、奉仕的活動(学校を美しく等)へと発展させてきた。

3) 植物栽培活動

一グループ一鉢運動として、マリーゴールド、サルビア、ガザエアの種を蒔くことから始めて花を咲かすまで、各グループで責任をもって栽培に当たってきた結果、次のような感想が聞かれた。

「花植えとか水くれをしてよかった。ぼくらがやらなかったら、咲かなかったかもしれない。ぼくは、やってよかった。ほかの先生が来ても、ちょっと古い校舎だけど、花を咲かせれば、きれいな学校と思ってくれるかもしれない。もっときれいな花をいっぱい咲かせたい。」

4)清掃活動

清掃については、師弟同行とし、自己評価カード(資料2)の活用を図り、清潔な生活習慣の育成に努めてきた。

 

資料2 おそうじ反省カード

(四) 学校と家庭との連携推進の充実

 

(四) 学校と家庭との連携推進の充実

1) 学校・家庭連携推進委員会の活動

学校・家庭連携推進委員会を組織し、両者の相互補完と協力によって、学校と家庭がともに進める道徳教育のあり方を探り、児童の道徳実践の定着を図るため、校章の桜水にちなみ、その頭文字をとって、「お」思いやりの心で、「う」美しい心で、「す」すなおな心で、「い」一心、一生懸命に、を合言葉とした「おうすい運動」(あいさつ運動、クリーン運動等)を展開してきた。

2) 親子のふれあい活動

以前から実施してきたPTA活動の「親子のつどい」の内容を充実させるとともに、あいさつ運動の標語作り(あいさつを呼びかけるための標語を各家庭から募集し、看板にして通学路上に立てた)、家庭新聞作り(夏休みなどを利用して、家族全員で家庭での出来事や自慢話などを新聞にし、校内に掲示した)、写真展(前述した「い」一心、一生懸命に、との関連から、日頃スポーツや手伝いなどでがんばっている子どもの姿を写した写真を各家庭から募集し、校内に展示した)などを通して、親と子のふれあいの場を数多く設けてきた。

3) 広報活動

学校と家庭をつなぐパイプ役としての広報紙「おうすいだより」(学校の道徳教育に対する考えや道徳の授業の様子、学校・家庭連携推進委員会での話し合いの内容を知らせるとともに、各家庭の読後の感想や地域での子どもの様子なども掲載した)を発刊し、学校と家庭の情報交換に努めてきた。

4) 啓発活動

ア 保護者の授業参観を実施して、道徳の授業に対する理解を深めてきた。

イ 道徳の補助資料(家人や地域の人からの手紙等)を収集し、授業の中で用いることによって、学校と家庭、地域のつながりを深めてきた。

ウ 保護者間の回覧ノート(一冊のノートを一人の児童に渡し、親が日

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。