教育福島0146号(1990年(H02)04月)-021page

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頃考えていることなどを書いてもらい翌日担任が目を通して、次の児童に渡す)を利用し、親と親、親と教師の相互理解と信頼関係を深めてきた。

〈回覧ノートから〉

「私は一人っ子で育ったため、兄弟げんかの味を知らない。息子達を見てると、よくもけんかの種があるなぁと感心させられる。兄は弟をあごで使い、弟はそれを不服として、兄にかかっていく。そんな二人だが、自分達のほしいものを購入する時などは相談して買ったり、兄が叱られた時はかばう態度を見せたりする。今は兄弟が少なく、親としては、こうしたけんかをしながらも、兄弟の絆をしっかり築いてくれることを願い、また、人を思いやる気持ちを育てていきたいと思っております」

エ 道徳教育家庭用手引書を作成、配布し、道徳教育に対する理解を得るとともに、基本的生活習慣の定着について協力を求めてきた。

 

六 研究の成果

 

本校は、昭和六十三・平成元年度の二年間、道徳教育推進校(学校・家庭連携推進校)として文部省の指定を受け、研究を進めてきた。その結果、次のような成果が得られた。

(一) 「今日の道徳は何をやるの」「今日のお話は何」といった道徳の授業を喜んで待つ子どもの姿、あるいは一時間の授業の中で、真剣に考えようとする子ども達が数多く見られるようになってきた。また、教師自身も道徳教育に対する認識が深まり、経験年数の多寡にかかわらず自信をもって道徳の授業に臨むことができるようになってきた。

(二) 子ども達も教師も実践場面を焦点化でき、今まで何気なく行ってきたことに対して課題意識や目的意識をもち、活動できるようになってきた。それに伴い、基本的生活習慣も徐々に身に付いてきた。また、活動の随所に上級生が下級生を思いやる姿などが見受けられるようになってきた。

(三) 家庭でのあいさつ運動や標語作り、家庭新聞作りなどを通して親子の話し合いが増えたことによって、「学校での子どもの様子が分かるようになった」「今、学校では、こんな道徳の授業をやっているのか」などの反応があり、学校と家庭の役割やあり方について理解が深まってきた。

 

七 今後の課題

 

次のようなことを踏まえて、今後とも継続研究に当たっていきたい。

(一) 価値の内面化を一層深める指導。

(二) 教師の手立てや支えがなくても、相手の立場や気持ちを考えて実践できる子どもの育成。

(三) 学校と家庭との取り組みを更に広め、地域との連携を深めていくための工夫。

 

他人を思いやり協力しあう心を育てる道徳教育

−家庭・地域社会との連携を密にした道徳教育のあり方−

会津坂下町立第二中学校

 

一 研究の趣旨

 

学区内の家庭および地域社会の連携協力のもとに、学校内外における一貫した道徳教育のあり方について研究を行い、道徳教育の改善、充実に資する。

 

二 研究の見通し

 

思いやりの心や協力し合う心を支える価値を明らかにし、道徳的実践力を養うとともに、学校教育全体を通して実践活動を進め、家庭や地域社会との連携を密にしていけば、研究主題に追ることができるであろう。

 

三 研究内容

 

(1) 道徳性の実態を把握し、基本的生活習慣の確立を目指す指導

(2) 道徳的実践力を育成するための授業研究

(3) 学校と家庭・地域社会との連携のあり方の研究

 

四 研究の概要

 

本校では、道徳の授業の充実を図るため、次の事項を重点的に取り上げた。

(1) 指導過程の工夫

(2) 資料活用の工夫

(3) 発問の工夫

(4) ノートの活用の仕方

その中で、研究主題の「家庭・地域社会との連携を密にした道徳教育のあり方」に迫るための一方法として、指導過程の中に、家庭との連携を図る配慮事項の欄を設けた。

現在、父母の体験談、アンケート、地域の人々の手紙、座談会の生の声等を録音して、主に導入と終末部で用い生徒の学習への動機付けや意欲付け、更には、父母の道徳教育への関心を高めることを目的として行っている。

また、地域社会との連携を確かなものとするために、生徒の自主的活動の助長と合わせ、実践指導部、家庭・地域連携部の活動の一環として体験学習を取り入れた。これは、校内の床みがきや通学路の清掃、地域の農家に出向いてのりんごの摘花作業、老人ホームヘの慰問など、生徒会が主となり部活動単位で行っている。これらの活動を通して、道徳性の内面化を図り、道徳的実践力を確かなものにしていきたいと考えている。更に、学校教育だけでは本物といえないので、家庭や地域の

 

 

 


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